北海道建設新聞社
2017/01/05
【北海道】大雨被害の原形復旧発注が本格化へ−本紙集計で1224カ所
本道に上陸・接近した4つの台風など2016年夏の大雨災害で被災した公共土木施設のうち、国の補助を受けて道と市町村が原形復旧する災害復旧の事業費が1224カ所で657億6359万1000円に決まった。工種別は、道工事が河川、市町村工事が橋梁で最も多い。18年度までの3カ年施工となる原形復旧の工事発注が今後本格的に始まる。
16年10月から12月末までに行われた2―10次の査定結果を本紙が集計した。改良復旧分は含んでいない。大規模で国土交通省と財務省の協議が必要なため、保留されている帯広建管の橋梁1カ所を含む。
道工事は787カ所で555億9470万7000円、市町村工事は437カ所で101億6888万4000円の内訳。
工種別で見ると、道と市町村を合わせて、河川が788カ所、457億5377万9000円に上り、金額が全体の69.6%を占める。道路の323カ所、77億1694万2000円が次ぐ。
道工事で金額が最も多い建管は、371カ所で349億8436万8000円に上った帯広。道工事全体の62.9%を占める。工種別では、河川が285カ所で274億3981万6000円となっている。
旭川の171カ所、85億9840万1000円、室蘭の70カ所、59億3314万円、網走の91カ所、36億5744万5000円が続く。これらに札幌を加えた5建管が10億円を超えている。
市町村工事は、91カ所で40億1886万4000円となった十勝管内が最多。橋梁が20カ所、29億5491万2000円に上っている。
次いで多いのは上川管内の89カ所、28億65万2000円で、道路が51カ所、14億2159万7000円となっている。3番目は日高管内で90カ所、14億7015万7000円だった。
道は、原形復旧とは別に、河道拡幅と河床掘削によって機能を強化する改良復旧を6河川で要望している。国との協議などが残されているため、事業採択済みの芽室川を除く5河川の事業費は未定。年度内に決定する見通し。
改良復旧の施工期間は3―5年間。発生年度を含むため、最長で20年度まで施工が続く。