谷本正憲知事は4日、県庁で年頭記者会見を開き、新年度から「新県立図書館」の基本設計に取り掛かるほか、「金沢港機能強化整備計画(仮称)」の策定や、東京国立近代美術館工芸館の移転にかかる実施設計を進めていくと述べた。このほか、金沢城公園の「鼠多門」復元整備については、17年度末に着手する意向を示した。
谷本知事は、金沢大学工学部跡地で建設を目指す新県立図書館について、「現在、検討委員会で精力的に議論され、3月中に基本構想をまとめ、新年度は次のステップとして基本設計に取り掛かる。その後、実施設計、工事に入っていくが、完成までに概ね5年程度掛かるのでは」と話した。
東京オリンピック・パラリンピックおよび金沢港開港50周年にあたる2020年度までに、同港における金沢みなと会館改築やコンテナ上屋の御供田ふ頭への集約、都市計画道路金沢駅港線(通称・50メートル道路)の無量寺ふ頭への延伸を柱とする機能強化工事を終える考えを表明した。17年度に金沢港機能強化整備計画(仮称)の策定に入り、内容の具体化を図る。
この中で知事は、寄港数が急増するクルーズ船の乗客の利便性を高めるため、現在、仮設施設で対応しているCIQ(税関、出入国管理、検疫を包括した略称)や待合室を恒久化するため、「老朽化した金沢みなと会館の改築を視野に入れた整備を考える必要がある」とした。
このほか、無量寺、戸水、御供田の各ふ頭に点在しているコンテナ上屋は、コンテナ専用の御供田ふ頭へ集約する形で再配置する。
加えて主要地方道松任宇ノ気線「金沢港」交差点で突き当りとなっている50メートル道路を港内に延伸し、無量寺ふ頭までつなげる計画。その際に支障となる船溜まりの埋め立ても検討するという。
金沢港は15年度実績で、コンテナ取扱量(重量ベース)が約6万TEUと全国重要港湾102港中第2位、定期航路数が週10便と同2位で、17年度にもクルーズ船54隻が金沢港に入港することになっている。谷本知事は今月中にも石井啓一国土交通大臣と面会し、これら金沢港整備への支援を要請する構えだ。