阿蘇郡南阿蘇村は17・18日、復興まちづくり計画概要の住民説明会を行った。村は安全・安心な住まいを確保する施策のなかで、袴野・長野など4地区に災害公営住宅の建設を提案。また阿蘇大橋周辺地区に復興ミュージアムの設置や新庁舎周辺整備計画なども示した。今後、住民から意見を募り、策定委員会の協議を経て、来年1月にも計画を策定する。
18日に大津町で行われた説明会で長野敏也村長は「まちづくり計画は単なる復旧ではなく創造的復興を目指している。大部分の復旧を東京オリンピック前に終え、本格復旧を7〜10年の長期計画で進めていきたい」と話した。
復興計画の基本方針として@南阿蘇らしい暮らしやすさに配慮した住まいの復興と定住・移住の促進Aなりわいや観光振興と、これらにつながる迅速な社会生活基盤の復興B安全で安心な暮らしができる、災害に強いむらづくり―を掲げている。計画期間は、平成28〜37年度までの10年間。28〜30年度を復旧期、28〜32年度を再生期、28〜37年度を発展期として設定している。
計画案では、地区別の復興方針を提示。甚大な被害を受けた袴野・長野、乙ヶ瀬・沢津野、栃木・黒川、立野・新所・立野駅の4地区を対象に、住民・行政・関係機関が一体となって重点的な取り組みを行っていくことを示した。4地区には災害公営住宅建設や避難路・避難所の整備、防災性の向上を図る改良住宅の建設を検討している。
復興ミュージアムは、具体的な施設や規模などは未定だが、崩落した阿蘇大橋付近の立野、黒川地区を建設候補地として上げている。来年2月末に完成を予定している新庁舎(河陽)の周辺整備は、具体的な内容は決まっていないが、29〜30年度に検討し、31〜37年度に整備を進めたいとしている。
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