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建設経済新聞社
2016/12/27

【京都】八条市営住宅団地建替にPFI BOT方式、事業費約49億円 既存解体後、230戸の新棟建設

 京都市は26日、市長の附属機関として設置した八条市営住宅団地再生事業検討委員会(委員長・田光雄京都大学大学院工学研究科教授)の初会合を開催。PFI手法のBOT方式を採用するなどとした方針を示した。
 八条市営住宅団地について都市計画局は、PFIなど民間活力を導入した全面建替えを検討。27年度に民間活力導入可能性調査を地域経済研究所(大阪市中央区)で行い、PFI手法等によって事業者の技術やノウハウ等をこれまで以上に事業に生かすことで、事業効果の向上、入居者の負担軽減や事業費の削減が見込めることを確認した。
 可能性調査の結果を踏まえ、28年5月に公募型プロポーザルで京都市八条市営住宅全棟建替事業における事業手法の検討等アドバイザリー業務を地域経済研究所(大阪市中央区)に決め、事業手法や事業内容の詳細な検討を行った。
 事業目的は、建替えによって多様な世代が安心、快適に暮らせる住宅を供給するとともに、憩いの空間となる公園を整備し、あわせて周辺道路を拡幅することで、良質な住環境を整備する。また敷地の一部を有効に活用し、若年層世帯や子育て世帯等を呼び込む民間住宅や施設を立地(整備)させることで、市全体や地域の活性化を図る。
 市営住宅用地、公園用地、付帯事業用地の3つに分けて工区を設定。市営住宅用地は敷地北側、公園用地は敷地南東角、付帯事業用地(約3000〜4000u)は敷地南側に設ける。
 基本的な工程案によると、@1号棟〜5号棟の入居者が周辺の民間賃貸住宅等に仮移転A1号棟〜5号棟を解体撤去し、跡地に新棟を建設B6号棟及び7号棟並びに仮移転中の入居者が新棟に本移転C6号棟及び7号棟を解体撤去D公園を整備するとともに、付帯事業用地を事業者に有償で譲渡。
 新棟(市営住宅)は供給戸数が計230戸(標準226戸+車椅子対応4戸)。住戸タイプ別で小規模(35u・1DK)が80戸、中規模(45u・2DKと1LDK)が118戸及び車椅子対応1DK2戸、大規模(60u・3DK)が28戸及び車椅子対応2DK2戸。
 住棟配置は、全住戸が十分な日照が確保でき、効率的に住戸を整備できる「ロの字型案」で行う考え。
 主な付帯施設は集会所は150u程度(防災倉庫含む)、駐輪場260台、バイク置き場30台。駐車場は入居者用25台、来客用3台、サービス用4台。
 市宅地開発要綱等に基づき公園を整備し、敷地周りの道路を幅員6mに拡幅する。
 事業手法はPFI手法のBOT方式が望ましいとした。
 概算事業費は約49億円と試算した。内訳は整備費約40億円、移転費約6億円、維持管理費約3億円。財源は国費総額約28億円(社会資本整備総合交付金約19億円、家賃対策調整補助金約9億円)、市負担額約21億円。
 想定スケジュールによると、30年4月に事業契約し、市営住宅の設計・工事期間は30年4月から33年3月までで、入居者の移転完了は33年9月、付帯事業用地の引き渡しは34年4月を予定。市営住宅の維持管理期間は新棟の供用開始日から10年間とした。
      ◇      
 JR西大路駅の東側、市立洛陽工業高校の北西側に位置する八条市営住宅(南区唐橋平垣町24)は計7棟(1号棟〜7号棟まで全て5階建、延約1万3653・8u、住戸面積約30〜40u、管理戸数は295戸/昭和36年〜41年着工)及び集会所(平屋建)1棟で構成する。
 敷地面積は約1万1784・60u。用途地域は第1種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)。高度地区は20m第2種高度地区。