日本工業経済新聞社(群馬)
2016/12/26
【群馬】来年度から本格的工事へ着手
県西部農業事務所は、本年度事業化した藤岡市牛田・川除地内での農業基盤整備について、一部工事着手を目指す。本年度は補正予算を充当し、地区外排水路を整備。年度内の工事発注を目指して、測量設計を藤和航測(前橋市)が行っている。来年度からは本格的な整地工などを進めていく予定だ。総事業費は8億3000万円。補正予算では工事費2000万円を振り分けた。
牛田・川除地区で整備対象となるのは牛田工業団地北側から美九里東小学校南側付近までの32・8ha。本年度に事業着手し、来年度からの本格的な工事着手を前に地区外の排水路を整備する。
同地区北側では、延長約371mのL型排水路工を行う。排水路両側に二次製品のL型を設置し、底部はコンクリートの現場打ちを行う。底幅2m、高さ1・3mの排水路を整備する計画だ。既設の排水路は600o×600oのU字溝が敷設されている。地区内に新たに水路を整備することにより、地区外の下流側の排水路があふれる可能性があるため、事前に対応しておく。
来年度からは同地区を4分割して計画的に下流側から整地工などを進めていく計画だ。2017年度は同地区北東部(1工区)の8・3haを予定。前期に分割しての発注を目指す。18年度は北西部(2工区)の14・6ha、19年度は中央部(3工区)の6・9ha、20年度は南部(4工区)3ha、21年度に補完工事などを行い完了する予定だ。
整地工では表土をめくって下層の土をならし、表土を戻す。畑は水田より高くなるように調整する。道路を計画する場所には盛り土を行う計画だ。このほか水道管の敷設替えや用排水路の整備なども含まれる。
詳細は設計の中で詰めるが、計画では排水路はW300〜600o×H300〜600oの排水用U字溝を使用。一部トウキョウダルマガエルが生息する場所では、環境配慮型水路を敷設する。W800o×H800oの穴あきU字溝の中にW400o×H400oの穴あきU字溝を設置。底の空間には間詰コンクリートを入れ、両側の隙間にはスロープを付ける。カエルが水路に落ちてもはい上がれる仕組みだ。
このほか用水路にはW300〜400o×H200〜260oのベンチフリュームU字溝やW1900o×H800oのコンクリートU字溝などを計画する。
道路は車道幅員5m。W50pずつ両側に路肩を確保し、砂利敷き(W4m)を基本に整備する。一部歩道(W2・5m)や落ち蓋式側溝の付いた道路を設置。置換工(山砕100〜0)はt53p、上層路盤工(粒調30〜0)はt15p、表層工(密粒アスコン)はt4pを基本とする。