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建通新聞社(東京)
2016/12/26

【東京】都政改革本部 最低制限価格の運用見直しを

小池百合子東京都知事が設置した都政改革本部の内部統制プロジェクトチーム(PT)は、調達・入札制度の適正化に向けて「予定価格の事前公表の見直し」「1者入札を回避するための制度・運用の整備」「最低制限価格制度を主とする運用の抜本的見直し」などを改革の方向としてまとめ、12月22日に開かれた本部会議に報告した。これを受け都は、2017年1月に制度・運用の見直し作業を始める。
 PTでは、豊洲新市場とオリンピック・パラリンピック競技会場をケーススタディーに都の入札・契約制度を検証した。
 豊洲新市場に関しては、主要3棟がいずれも1者(JV)応札で、落札率が99%台となったことを問題視。予定価格の事前公表と1者入札によって競争性が阻害されたと指摘するとともに、入札不調後に行った予定価格積算の妥当性にも疑問符を付けた。同時期に2回目の入札で落札者が決まった武蔵野の森総合スポーツ施設を例に、小刻みに予定価格を増加させることを「在るべき2回目の積算方法」だと提案した。
 オリパラ会場の落札者決定に当たって採用した技術提案型総合評価方式については、技術点の配点バランスが「桁違い」に高く、価格要素を軽視していると断言。外部委員が評価項目の決定や採点に議決権を持たないことに疑問を呈し、公正性や透明性が確保されていないと指摘した。
 また、これらの案件で発生した1者入札を巡っては、過去3年分の入札データの再集計を基に、「価格帯が高いほど落札率が高くなり、1者入札の占める割合も大きくなる」「最低制限価格を設定されないWTO政府調達協定案件での3者以上の落札率は各年度とも全価格帯を通じて最も低い」との調査結果をまとめた。
 都財務局は、▽業者にとって収益性の低い案件は入札者数が少なくなり、採算が見込めないため必然的に高い入札額となる▽現行の入札システム上、辞退や不参加の業者は応札者にカウントされないため、本来は2者以上の入札となるべき案件も含まれている―との見解を示した。しかし、「工事価格の積算方法は標準化され案件ごとのばらつきは生じにくい。大型工事ほど収益性が低いわけではない」「システム上カウントされない応札者の実態が不明確」などと否定。「1者入札には競争性が認められない」「入札する業者が、応札者数の情報を把握している可能性が認められる」と結論付けた。
 さらに、1者入札と2者入札、3者以上入札の平均落札率を算出した上で、1者入札だった案件を「3者以上の入札で、最低制限価格を設けていなかった」ケースとしてシミュレーション。その結果、“単純な機械的試算”と前置きしつつ、13〜15年度の3年間で「合計2908億円を節約できていた可能性がある」との推論を立てた。
 PTでは、これらの検証・検討結果を踏まえ、今後の改革の方向性として@予定価格の事前公表の見直しA1者入札を回避して競争環境を確保するための制度・運用の整備B最低制限価格を主とした運用の抜本的見直しC技術提案型総合評価方式の抜本的見直しと今後の採否の根本的な検討D入札を含む調達全般の適正化とチェックのための制度・運用の確立―を打ち出した。

提供:建通新聞社