京都府はこのほど、戦略的な企業立地促進プランをまとめた。
達成したい目標として「中北部地域を活性化するため、雇用の場として重要な機能を有するものづくり産業等の誘致・集積を促進」「南部地域を中心とした新たな事業用地確保方策を策定」「多様な立地形態や投資ニーズに対応するため、立地支援策の検討等を行い、時代に即した誘致活動を展開」を掲げ、以下の6つの新規施策(制度)に取り組む。
@中北部地域等への更なる立地支援策
▽補助対象事業所指定要件(面積要件等)の見直し(中北部地域等では、当該中北部地域等及びその周辺地域に立地する地元中小企業等の比較的小規模な新増設案件である場合が多く、補助対象事業所指定要件に満たないケースが多いことから、その指定要件を見直し、潜在的な立地・投資需要の喚起を図る)
▽中北部地域等における人材確保支援策の実施(誘致企業の人材確保に資するため、空き家の有効活用や工場敷地内における社員寮の整備等について、地元市町村や庁内関係部局等と連携して支援)
A府内立地企業の増設・拡張等支援策
▽増設案件の「入口要件」の見直し(既存敷地内での増設の場合に適用される「入口要件」を見直し、府内立地企業の潜在的な投資需要の喚起と積極的な増設投資の促進を図る)
▽既存事業所の増設・拡張投資への対応(既存事業所内における様々な増設・拡張投資に対し、地元雇用の拡大や地域経済への波及効果が高いものについて新たに支援)
B中小企業の成長に伴う立地支援策
▽京都の特性を生かした事業を行う工場等を対象とした「種まき型支援」の補助対象事業所指定要件の見直し(種まき型支援案件は現状、面積要件が通常より緩和されているが、より実態に合わせた支援を行うため、面積要件以外の要件も見直す)
▽中小企業の成長に伴う立地支援策としての補助対象事業所指定の実施(移転・集約を伴う場合であっても、賃貸から自社所有となった上で、一事業所としての施設規模が一定以上拡大する場合は中小企業の成長に伴う立地支援策として補助対象事業所指定を実施)
C多様な機能を有した新しい立地形態や多様な事業主体に対する立地支援策及び地域の特性を活かした産業の立地・集積支援策
▽特区の拡充(南部地域における「高次物流施設」の集積など、みやこづくり構想の進捗に合わせて、地域の特性に応じた新たな特区を指定し、特定産業の集積を図る
▽多様な立地ケースに対応した制度整備(地域の特性に応じた立地形態、業種、主体等の幅広い立地ケースに対応するための制度整備を図る。具体的には企業以外の事業主体(一般社団法人や独立行政法人等)の立地に対応した制度整備、ものづくり機能に付随した機能を有する産業(製造業と物流業の複合型産業等)に対応した立地支援策の実施等)
D南部地域を中心とした事業用地確保方策
▽民間活力の積極導入に向けた仕組みの強化(民間資本による用地開発を促進させるため、関係市町村及び庁内関係部局等と連携して、用地開発手続きを円滑に進めるためのワンストップの仕組みを強化)
▽「用地バンク」の設置(事業用地として活用可能な民有地及び民有の居抜き物件の積極活用を図るため、関係業界と連携して、それらの情報を一元的に集約した府域全域の用地バンクを設置)
E人材確保及び定着に係る支援策
▽障害者雇用補助金単価の見直し(誘致企業の障害者雇用の支援のため、障害者雇用補助金単価を見直し)
▽UIJターン者を雇用する場合の支援策の強化
▽大学等との更なる連携の促進
▽立地企業のネットワーク化支援
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これに関連し、府は29年3月末までの時限措置となっている企業立地促進条例を一部改正する。29年4月1日から施行する予定。
主な改正点は〈営利を目的とする私企業(営利企業)及び一般社団法人や独立行政法人等の営利企業以外の法人等を支援対象として明確化〉〈営利企業以外の法人等は収益事業のみを支援対象とする〉〈失効期限を34年3月31日まで5年間延長〉。