(一社)千葉県建設業協会(畔蒜毅会長)は21日、千葉市内のオークラ千葉ホテルにおいて「2016年度永年勤続者(役員・従業員)功労表彰式」「2016年度千葉県優良建設工事・主任技術者功労表彰式」「2016年度建設雇用改善優良事業所表彰式」「2016年度(独)勤労者退職金共済機構理事長表彰伝達式」を開き、功労者及び優良事業所等に対して賞状の授与と記念品の贈呈を行った。協会表彰規定により、永年勤続者は会員企業で役員が15年以上、従業員は20年以上勤務し、成績優秀と判断された者を表彰。同じく主任技術者については、県の優良建設工事物件を手掛けた主任技術者を対象に、公共工事の品質確保と現場施工技術の向上の観点からの励みとして、95年度から表彰を実施。この日の受賞者は、永年勤続功労が46人(役員5人、従業員41人)、主任技術者功労が112人。
◆「表彰縮小」に翻意促す
「建設雇用改善優良事業所表彰式」は、建設雇用改善推進大会の開催時に行っていたが、11年度からその大会が「廃止」となったため、感謝状受賞社を対象に表彰の機会として設けて今回が6回目。同大会は、県内における建設労働者の雇用改善において、建設事業主をはじめ関係者の理解と関心を深め、雇用改善の意欲の高揚を図ることを目的に77年に開始。毎年11月を「建設雇用改善推進月間」と定め、その中心的行事として開催してきた。
◆長年の努力と労苦/深く敬意とお祝い
主催者を代表してあいさつした畔蒜会長は、まず、永年勤続功労者について「会員企業の役員または従業員として、多年にわたり会社の経営並びに技術の向上に地道に取り組まれ、地元支部長から推薦を頂いた方々である」と紹介。「みなさんは建設業の仕事を通じて、地域社会の発展に多大な貢献をされている方々」との認識を示したうえで「長年にわたる努力と労苦に対し、深く敬意を表するとともに、心からお祝いを申し上げたい」と弁。
また「企業の発展には優秀な人材の確保と育成が不可欠」とした氏は、両功労者に対し「長い時間を費やして培われた豊富な経験と知識を活かし、今後とも後進の指導や建設業界の地位向上のため、さらに地域貢献活動の役割を果たすために一層の尽力を賜りたい」と要請した。
◆優れた工事すべて/技術者表彰を念願
一方で「優良工事主任技術者功労表彰」について畔蒜会長は、15年度に県が発注した公共工事において「他の模範となる優秀な成績で完成させた工事を担当された方々である」と強調。本年度から県の優良工事表彰が30社以内と縮小されたことに対して「協会では、公共工事の品質確保と施工技術向上の観点から、会員企業に在籍する技術者の模範として、81点以上の評定点を獲得した監理技術者と主任技術者全員を、独自に表彰することにした」と説明。さらに、優良工事の施工については「勤務されている会社のみならず、私ども協会会員や県内企業の技術力に対する評価を高めるもの」とし「県においても、優れた工事を施工したすべての技術者が表彰されるよう、ご検討頂きたいと念願する」と強く訴え、縮小に対する翻意を促した。
◆建設業の役割と使命の正当評価
本年も台風や地震などの激甚災害が日本各地で発生し、自然の猛威に対する備えが脆弱である実情を突き付けられたことについては「自然災害への応動態勢を一層強化させるとともに、今ある県土をより良い形で次世代に引き継いでいくための社会資本整備に加え、建設業の役割や使命が正当に評価される活動にも積極的に取り組むことが肝要である」と指摘。最後に、協会として「会員企業の安定した経営と技術力の向上に繋がる取り組みをバックアップし、建設業の一層の活性化に向けて対応していきたい」との方針を示し、あいさつを結んだ。
◆地域支える基幹産業の誇りを持って
表彰状授与に引き続き、来賓を代表してあいさつした野田勝・県県土整備部長は、昨今の建設業において、ストック効果を重視したインフラ整備はもとより、防災減災対策、インフラの維持管理など、安全と成長を支える重要な役割がますます期待されていることに言及。一方で、現場の技能労働者の高齢化、あるいは若手の入職者の不足などの課題が生じていることには「担い手の確保・育成や福利厚生の充実、建設現場の生産性の向上が極めて重要である」との考えを示した。
これらを踏まえて氏は、県として「今後ともみなさんの力をお借りしながら、災害に強く活力ある県土づくりに取り組んでいく」との方針を示す一方、会員に対しては「地域社会を支える基幹産業である建設業に従事しているという誇りを持って、さらなる技術力と経営力の向上に努めて頂きたい」と要請。さらに「我々県としても、技術と経営に優れた建設業者が適正な競争を通じて成長するという経営環境の整備に努めていく」と言明し、祝辞に代えた。