コスト削減に努めつつ当初計画地に恒久施設を建設する―。東京都の小池百合子知事は、12月21日に開かれた国際オリンピック委員会(IOC)と政府、大会組織委員会、都による4者協議で、オリンピックアクアティクスセンターと海の森水上競技場、有明アリーナの3会場の見直しに関する都の結論を説明し、了承を得た。いずれも実施設計と施工を一括して契約を結んでいることから、今後、施設内容の見直しを反映して改めて設計作業を進めていく。
都が建設する20年大会の会場をめぐっては、小池知事が建設費の高騰を理由に、有明アリーナとオリンピックアクアティクスセンター、海の森水上競技場の3会場を見直す考えを表明。知事の設置した都政改革本部会議が既存施設の活用を中心とした見直しを提案したものの、既存施設の活用に当たって多くの課題が判明。当初計画に沿った会場整備を求める競技団体などからの同意も得られなかったため、小池知事は最終的に当初計画に沿って3会場を新設することを決めた。
一方、海の森水上競技場の施設内容を「仮設レベル」とし、大会後に減築する予定だったアクアティクスセンターの観客席を1万5000席に固定、有明アリーナの建物の仕様を見直すことなどで、合計約400億円のコストを削減する。
4者協議で小池知事は、これまでの経緯と都の決定を伝え、20年大会までに着実に施設整備を完成させると説明。ジョン・コーツIOC副会長、森喜朗組織委会長、丸川珠代オリンピック・パラリンピック担当相がこれを了承した。
提供:建通新聞社