日本建設業保証は、2016年度建設業の経営指標西日本版をまとめた。同社が前払い保証を行った本店所在地が西日本地区(23府県)にある建設企業2万1554社の15年度決算(15年4月1日〜16年3月31日)から、土木、建築、土木建築、電気、管の5業種に絞り、財務比率を分析した。
企業の収益性を示す「総資本経常利益率(経常利益/総資本×100)」は、西日本全体で3・96%。前年度に比べて0・1ポイント下降した。業種別に見ると、調査企業数の約半数を占める土木が前年度に比べて0・49ポイント下降したものの、建築で0・31ポイント、土木建築で0・5ポイント、電気で0・43ポイント、管で0・11ポイント、前年度より上昇した。
同率を完成工事高別に見ると、「1億円未満」が前年度比0・45ポイントマイナス、「1億円以上5億円未満」が同0・1ポイントマイナスした。これ以外の3階層では全て前年度を上回った。
また、短期債務に対する支払い能力を表す「流動比率(流動資産−未成工事支出金/流動負債−未成工事受入金×100)」は、比率が高いほど経営の安定が保たれていることを示す。全体では265・32%で、前年度に比べ4・16ポイント増加した。業種別では、土木建築以外の4業種が前年度を上回り、完成工事高別では、「10億円以上30億円未満」を除く階層が前年度を上回った。
財務の健全性を表す「総資本自己資本比率(自己資本/総資本×100)」は、全体で45・42%。前年度に比べ1・27ポイント上昇した。全業種、全階層で対前年度比プラス。上昇傾向を維持している。
生産性の判断基準となる「付加価値率(付加価値/完成工事高×100)」は、全体で26・61%。前年度に比べて0・9ポイント上昇した。業種別では全ての業種が前年度を上回ったが、完成工事高別では「30億円以上」の階層だけが前年度を下回った。
提供:建通新聞社