千葉市は15日、産業用地整備支援事業で、エム・ケー(東京都日野市大坂上1−30−28)が計画する(仮称)ネクストコア千葉誉田を認定したと発表した。千葉外房有料道路高田ICに近接する明治大学誉田農場跡地25・9haを同社が産業用地として開発するのに伴い、総事業費約51億円のうち道路、下水道等のインフラ整備分を、市が10億円を限度に負担する。来年4月に建設負担金に係る協定書を締結し、事業計画(設計)の作成及び許認可手続きを経て、17年度下期〜18年度で造成工事及び企業誘致を進める予定。
開発区域は、緑区誉田町2−22他の明治大学誉田農場跡地で、面積は約25・9ha(うち分譲面積約18・3ha)。開発に伴う総事業費は51億2856万9000円、周辺インフラ整備(進入道路買収面積で1308u規模)に伴う事業費は概算で14億1400万円を見込んでいる。
同市では、「まち・ひと・しごと創生人口ビジョン・総合戦略」の中で、都市の活力を支える産業の振興と人材の育成を重点戦略の一つに掲げ、企業立地の一層の促進と競争力のある産業集積の形成を目指すとしているが、市内において活用できる未利用地は乏しい状況にある。
このため、市の財政負担をできるだけ少なくして早期に新たな産業用地を創出できるよう、豊富な実績を有する民間事業者の資金、経営能力及び技術力を活用した造成工事ならびに企業誘致を含めた実現可能な事業計画を募集することとし、東関道の千葉北IC及び千葉外房有料道路の高田ICから概ね1kmの範囲を対象に、開発規模10〜20ha程度を想定して10月に事業の募集を開始した。
事業計画の認定を受けたエム・ケーは、ヘッドリース事業(寮・社宅・倉庫等のサブリース事業)や大規模事業用地開発・分譲事業、宅地造成請負事業等を手がける企業で、最近では埼玉県久喜市でのネクストコア清久(39・4ha)や、茨城県五霞町でのネクストコア五霞(37・1ha)等の開発実績がある。
提案内容の審査では、開発区域について地権者と売買協定書が締結され同意状況に問題がないことや、市が策定した企業立地促進基本計画の「特に集積を図るべき業種」の中から、近隣工業団地への企業の進出状況や学校・住宅地に近接していることを考慮して誘致企業の業種を選定していること、さらに大企業だけでなく中小企業の立地にも柔軟に対応する検討も行うなど、事業の的確性が評価された。
また、地域貢献度の面では、立地企業による企業活動や新規雇用の創出など地域経済への効果が期待できるとしたほか、地域住民のニーズやこれまでの土地利用方法(地域開放)にも配慮。分譲後も、地域住民と立地企業との調和が可能な経済団体(工業団地管理組合等)の組織化が提案されていることも評価された。
市が今回の支援に用いた「建設負担金方式」は、産業用地整備事業に必要な市に帰属するインフラ(道路・下水道等)及びそれに付随する施設の整備費を、民間事業者へ「建設負担金」として交付するもの。本来、市がまちづくりの観点から整備すべき基礎インフラについて、開発を行う民間事業者が開発区域内のインフラと一体で整備することで、効率的な整備が期待できるとしている。