日刊建設工業新聞
2016/12/16
【鳥取】中部地震など耕地災害、19日から災害査定 総額3億円余を復旧申請へ
10月21日に発生した鳥取県中部地震と8月から9月の豪雨や台風で被災した農地と農業用施設の災害査定が19日から2週に分けて実施される。農業集落排水施設を除く復旧申請額は、農地が19件で約3700万円、農業用施設が35件で約2億6800万円の合計54件で、申請総額は3億500万円あまり。そのうち、豪雨と台風による被害は延べ20件で、申請総額は4200万円あまり。
県農林水産部のとりまとめによると、倉吉市や三朝町、湯梨浜町、北栄町、琴浦町の中部地区を中心に鳥取市、江府町の7市町でこれまでに616件の被害が報告されている。しかし、多くは自力復旧や県市町単独で対応する小規模な被害がほとんどで、国庫補助対象事業としてこのほど復旧計画をまとめたのは54件にとどまった。
被害の大半は、農地が畦畔の崩壊や石積みのクラック、農業施設が農道舗装のクラック。そのうち、江府町では、かつて国営事業で築造した下蚊屋(さがりかや)ダムのダム湖内の一部で復旧申請額が1億円を上回る幅35b、高さ14〜15bにわたる比較的大規模な法面崩壊(法枠の崩壊)があった。災害査定は19日から22日まで倉吉市、鳥取市、三朝町、湯梨浜町の43件を対象に行い、琴浦町、北栄町、江府町の11件は26日から28日までの日程で実施される。農水水産省でも国土交通省と同様に県中部地震災害については速やかに災害復旧工事に着手するため、通常200万円未満の机上査定を1000万円未満に拡大するなど災害査定の簡素化などを実施しており、今後、査定決定を踏まえて災害復旧工事の着工に向けた動きが本格化する。