浜松市は、2022年度の供用開始を目指す浜松医療センター(中区)の新病院建設事業で、実施設計段階から施工事業者と技術協力契約を結ぶアーリー・コントラクター・インボルブメント(ECI)方式を導入する方針を明らかにした。同市の公共施設建設でECI方式を導入するのは初めてとなる。
計画では、基本設計を担当する久米設計(東京都江東区)・竹下一級建築士事務所(浜松市南区)共同企業体と17年度中に随意契約し実施設計に着手。その後、同年度中に施工事業者を公募し、技術協力契約を結ぶ。工事契約の締結は当初計画していた17年10月から実施設計完了後の19年8月に約2カ年後ろ倒しする。同方式の採用で施工の工夫や特殊技術が設計時に反映できる他、コスト縮減効果が高いなどの利点があるという。
市は当初、設計の一部と工事を一体の業務として発注するデザインビルド方式の採用を検討していたが、東京オリンピック・パラリンピック大会開催などの影響で建設コストが増加している社会情勢を考慮し発注方式の変更を決めた。
また、新病院建設事業とは別に、ボイラーや変電設備などエネルギー設備の設計から管理までを委託するエネルギーサービス(ES)事業も導入。ECI方式と同様に病院建設の実施設計段階から技術協力を受ける。発注はECI方式の施工事業者公募と並行して進める。
新病院は、現在の浜松医療センター3号館から市道を挟んだ市有地(約1万6000平方b)に、延べ床面積約3万8000平方b、約420床規模で計画。3号館と新病院を上空連絡通路でつなぎ、全体の延べ床面積約5万1000平方b、約600床を確保する。
提供:建通新聞社
(2016/12/16)
建通新聞社 静岡支社