東京都は、下水道局による最低制限価格の算定ミスを受けて実施した全庁緊急点検の結果、新たに7局で計40件の誤りがあったと発表した。このうち落札結果に影響があった案件が8件あったという。契約前だった工事2件は手続きを中止したが、契約済みの案件は工事の進展や工期の遅れによる影響などを勘案して契約の継続か解除を個別に協議している。
都は最低制限価格の設定に当たり、8割だった現場管理費の算定割合を9割に引き上げるように基準を改正したが、一部の工事で「据付間接費」と「設計技術費」にこれが反映されていなかったため、6月1日以降に入札契約手続きを行った案件で、本来よりも低い最低制限価格を設定するケースが発生した。
下水道局が発注した設備工事で131件の算定ミスが判明したため、同局を含む全19局で、対象となる1743件の工事を改めて点検。その結果、▽総務局1件▽主税局1件▽病院経営本部2件▽建設局4件▽港湾局6件▽水道局6件▽下水道局20件―の7局40件の誤りが見付かった。
都では落札結果に影響のあった案件の対応を個別に協議する一方、契約事務担当者会議で速やかに原因調査と再発防止策の検討を指示した。併せて財務局が、契約担当部署や技術部門と連携し、算定ミスの発生原因を踏まえた再発防止策を早急に検討し、各局に通知する。
提供:建通新聞社