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建通新聞社(神奈川)
2016/12/14

【神奈川】パシコンでメニュー等検討 大規模盛土造成地の滑動崩落対策 横浜市建築

 横浜市建築局は大規模盛土造成地で行う滑動崩落対策のメニューなどを検討する業務をパシフィックコンサルタンツ横浜事務所(横浜市西区)に委託した。東日本大震災の被災地で実施された復旧工事の状況などを踏まえ、市内で行う対策のメニューや費用負担の考え方など整理して、住民支援のための方針を具体化する。2016年度内に業務成果を得て、17年度以降の詳細調査・安定解析(第2次スクリーニング)に備える。
 大規模盛土造成地の滑動崩落対策は、宅地造成等規制法の改正(06年)に併せて創設された宅地耐震化事業に基づき行う。盛土面積3000平方b以上の「谷埋め型」と、盛土前の地盤面の傾斜が20度以上かつ盛土高さ5b以上の「腹付け型」が対象で、市は古い地形図・航空写真と02〜07年度の地形データの照合(第1次スクリーニング)によって把握した3558カ所を地図化・公表済みだ。
 また、12年度から現地踏査などに取り組んで詳細調査・安定解析(第2次スクリーニング、変動の危険性確認)を実施すべき地域の選定を進めてきた。
 ただ、今後の調査などは民地に入る必要があり、滑動崩落対策の一環で工事を行う場合にも土地所有者らに一定の費用負担が生じるため、事業進捗の段階に応じた住民の合意形成が求められる。
 今回の業務では、東日本大震災の被災地で実施された滑動崩落の復旧工事を▽被災前の対策状況▽被害の程度▽対策工法―などの面から分類し、事業スキームを巡る課題や解決策を整理。その上で、市内の第2次スクリーニングを実施すべき地域の特性も踏まえて滑動崩落防止対策(工事、モニタリング、建て替え・住み替え促進など)のメニューを考え、期間や費用なども比較検討してメリット・デメリットを分析する。
 また、宅地耐震化事業などで土地所有者の合意形成を図った他都市の事例を集め、合意形成の方法や課題・解決策を整理して、市内での滑動崩落対策に関わる費用負担の考え方を検討する。
 業務の履行期限は17年3月24日。
 提供:建通新聞社