今年度の熊本県発注工事での不調・不落が、11月末時点で75件発生していることがわかった。9日の県入札監視委員会で監理課が報告したもので、平成27年度の26件を既に大きく上回っている。
土木部と農林水産部の予定価格250万円超の工事を対象に、不調(入札参加者無しまたは1者)、不落(全入札が最低制限価格未満・予定価格超過または内訳書不備)をまとめた。
8月までは0〜4件で推移していたが9月17件、10月16件、11月34件と急増。発注機関別では本庁と阿蘇地域振興局が多い。業種別(10月末時点)は、土木が27年度同期比7件増の19件、建築が3件増の6件、26年度1件・27年度0件だった舗装が6件発生している。
県が発注部署から聴き取った不調・不落の主な要因(複数回答あり)は、「技術者の配置が困難」が28件と突出して多く、次いで「発注額、施工条件が厳しい」11件、「見積期間が短い」と「最低制限価格を下回った」が各2件となり、「資機材不足」は無かった。
過去3年でみると北部豪雨災害の翌年となる25年度に169件発生し、その後26年度65件、27年度26件と減少傾向にあった。委員会では、熊本地震の影響から25年度を上回る可能性を懸念する意見が出た。
提供:
西日本建設新聞社公式フェイスブックページ:「
記者 建設探訪」