金沢市は、コンパクトシティを目指す今後のまちづくり指針とする「市集約都市形成計画」の策定を進めており、このほど案をまとめた。
同計画は、今後の都市機能や居住機能の集約と公共交通の充実により、安心で快適に生活できる持続可能なまちづくりの実現を目指すもの。
策定の背景では、将来の人口減少でまちの活力が低下し、生活が不便になっていくことを懸念。その解決に向け、住む場所や各種施設を適切な場所へ誘導すること、つまり拡がり続けてきたまちを少しづつダイエットした上で、将来的に持続的な成長を支える「軸線強化型都市構造」への転換を目指す。具体的に軸線強化型都市構造とは、公共交通が便利な場所を「軸」として、その沿線に住む場所や各種施設を誘導し、まちの活力を強化していくための都市の姿としている。
同市における軸線強化型都市構造のイメージでは、まちなかやJR・IR駅周辺、駅西50メートル道路沿道などを「都市機能誘導区域・生活拠点」、公共交通が便利な場所などを「居住誘導区域」、その他の市街地を「一般居住区域」に設定。
各区域における取り組みは、既存の事業や制度のほか、都市機能誘導区域・生活拠点では新しい交通システムの導入や交通結節点の整備・機能強化、コンベンション機能の強化、居住誘導区域ではバス路線の段階的再編、サービス付き高齢者向け住宅の立地誘導、一般居住区域では地域住民主体の移動手段の確保に対する支援などを10年以内の着手を想定する新規事業としている。
このほか「誘導」については、長期的かつ緩やかに、住む場所や各種施設の立地を推奨するもので、強制的に進めるものではないとした。
市は今年度中に同計画を策定する。先週9日から周知に向けた市民説明会(全9回)をスタートしており、1月28日には有識者を交えたシンポジウムも開く予定だ。