京丹波町新庁舎建設基本計画審議会(会長=湊嘉秀京丹波町区長会会長)は12日、寺尾豊爾町長から諮問を受けた同計画の策定について答申を行った。新庁舎の建設地は、町役場から北に近接する「ふれあい広場」(京丹波町蒲生蒲生野)。庁舎面積は延5800u程度、本体工事費は約23億円と試算している。
町では今後、審議会より答申された同計画(案)について、町議会12月定例会に報告後、パブリックコメントの募集等を実施し、28年度末までに基本計画を策定する予定。また、庁舎の位置の変更等に係る議会の承認(3月定例会の見込み)後、28年度末頃より現地測量・用地測量・地質調査・物件調査に着手する見通し。29年度に基本設計・実施設計を進め、30年度から造成工事、31年度から建築工事に着工する整備スケジュールを想定している。
合併10周年を経て、3町合併の一体性の象徴として、新たなまちづくりの拠点となる新庁舎建設の必要性が高まってきたことから、京丹波町にふさわしく、末永く愛され、町民のよりどころとなる新庁舎の建設に向け、その指針となる「京丹波町新庁舎建設基本計画」の策定に着手し、28年6月30日に第1回の同計画審議会を開催。寺尾町長から同審議会に対し基本計画の策定について諮問した。
全5回の審議会を開催。審議にあたっては、先進自治体への視察、町民ワークショップの意見を参考にし、庁内検討委員会やワーキング会議の意見も事務局より説明され、これも参考にされた。28年11月21日開催の第5回審議会において答申内容を審議し、承認され、このほど答申となったもの。
審議会がまとめた京丹波町新庁舎建設基本計画(案)によると、新庁舎の位置は、敷地規模、アクセス性、災害に対する強さや将来の拡張性に優れた「京丹波町ふれあい広場」を計画地とする。集約の範囲は、現本庁舎に配置されている部署に加えて、教育委員会、子育て支援課、保健福祉課および水道課を新庁舎に集約し、町民にとって利便性が高いワンストップサービスの実現を図る。
新庁舎に必要な庁舎面積は延約5800u程度、車庫・倉庫棟は延1600u程度。また、駐車スペース等を含めた敷地面積は1万8000u程度が試算される。新庁舎の規模は、利用のしやすさ、配置の工夫、コスト縮減や将来の不確実性等の観点を踏まえて、試算した規模を参考値として設計段階において最適化を図るものとする。構造については、森林を多く有し、森林資源を産業として育成する取り組みを進める町にとって、地元産木材を使用した木造または木質化に工夫した新庁舎がふさわしいとしている。
事業費は、新庁舎本体工事費として約23億円が試算された。付属棟・外構整備工事費や既設建物解体撤去費、造成工事費、設計・工事監理費、各種調査費、備品工事を含めた全体事業費は約34億2000万円になると試算された。財源は合併特例債を基本とし、事業化を図る各段階において適切な照査を行うことで、事業費の節減に努める。また、維持管理コストの低減につながる工法や技術を積極的に取り入れ、工事費についても抑制に努めるものとする。
合併特例債の起債期限である32年度末の工事完成を目指す。
なお、審議会で出された意見としては▽新庁舎建設計画地に近接する京都府立丹波自然運動公園や京都府立須知高等学校等と連携した新庁舎を期待する▽新庁舎建設計画地で行われているグラウンド・ゴルフの活動について、事業実施にあたっては十分配慮されたい▽文化ホール、図書館等の建設については、別途早期に検討されることを期待する−などが示された。
基本計画策定は大建設計大阪事務所(大阪市西区)が担当。