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建通新聞社(神奈川)
2016/12/13

【神奈川】「神奈川県住生活基本計画」素案 市町村に空き家対策促す リノベーション推進

 神奈川県は、新たな「神奈川県住生活基本計画」の素案をまとめた。空き家対策の本格的な施策が盛り込まれ、市町村の対策計画促進、マッチング制度の構築、リノベーションなどに重点的に取り組む。計画期間は2016〜25年度までの10年間。近く改正素案に対する県民意見の募集を開始し、この結果を踏まえて17年3月に新計画を公表する。
 現行計画から5年が経過。少子高齢化や空き家の増加など、社会情勢が大きく変化していることから改定する。
 9つの目標の実現に向けた重点施策を設定。新規の重点施策は、空き家問題や高齢者・子育て世帯対策などに集中している。
 主な新重点施策は次の通り
■空き家の適切な管理と利活用の推進及び空き家化の防止のための総合的な施策の展開
◇適切な管理
 ▽県が策定した「空家等対策計画」のモデル計画を市町村に提供し、計画策定を促す
 ▽県営水道の閉栓情報の市町村への提供
 ▽市町村が空き家対策を進めていく上で課題となっている、「所有者の特定手法」「法に規定する特定空家等の判断基準の明確化」「空き家の内部に残された家財の管理・処分方法」についてのマニュアルを策定し、市町村に提供
◇計画的な解体・撤去
 「特定空家等」について、交付金などの制度を活用して、解体・撤去を促進
◇利活用の推進
 ▽市町村単位で運営されている空き家バンクについて、広域的な運営を検討
 ▽神奈川県居住支援協議会で、空き家を利活用しての地域活動を希望するNPO団体などを登録し、空き家バンクに登録されている物件とマッチングする制度を構築
◇空き家の多用途への転換の促進
 介護施設や福祉施設、子育て支援施設などの他用途に転換して利活用を促進。住宅以外への用途変更を行う場合の活用事例を情報提供する。
◇空き家化の防止
 ▽後援会、セミナーなどでの普及啓発
 ▽地域の実情に応じた相談窓口の整備
■空き家を利活用したリノベーション住宅地エリアマネジメントの仕組み構築
 「かながわリノベーション住宅地エリアマネジメント」の取り組みを推進。コーディネーターや専門家などと自治体・町内会や地域の住民などが連係しながらリノベーションとエリアマネジメントに取り組む。
 県は、NPOなどと協働でモデル事業を参考に、仕組みを構築しノウハウの提供などを行う。
■住宅地における地域の拠点で働く元気な高齢者や女性などの活躍の場の創出
 空き家を活用しての事業を支援する。
■多世代が支え合う住まいづくりの推進
 若年・子育て世帯などが、収入などの状況に応じて適切な質、広さの住宅に居住できる施策を推進。
 ▽県の「多世代居住のまちづくり」や「空き家を利活用したリノベーション住宅地エリアマネジメント」を推進。
 さらに、持ち家を希望する若年・子育て世帯などに対して、社会資本整備総合交付金を活用した住宅資本の利子補給を行えるよう、市町村の取組を支援
 ▽子育て支援施設を併設した民間マンションなどを認定
 ▽空き家活用などによるシェアハウスを促進
 ▽DIY型賃貸住宅の促進
■高齢者の居住安定のための総合的な施策の推進
 「神奈川県高齢者居住安定確保計画」の各施策推進。
■住宅セーフティーネットの強化、予防、再構築による居住支援
 早い段階から住情報を提供。就労支援、福祉施策などと連係した居住支援。
■住宅の資産価値が低下しない仕組みなどの普及・啓発
 リフォーム、リノベーションなどの仕組みや資金調達の方策などについて普及啓発する。
■健康団地の取組推進
 県営住宅の施策「健康団地」による再生に取り組む。
■中間的な住まいとして「神奈川版多世代の家」の検討
 食事の取れるコミュニティースペースと子育てや高齢者支援施設が併設された住宅の中で、多種の生活支援サービスなどが提供され、幅広い世代の人々が支え合いながら生活する「神奈川版多世代の家」を検討する。
■神奈川県住宅施策認定制度の推進
 計画に即した施策や取組を行っている民間団体などを認定する制度を構築。事業を後押しする。
 提供:建通新聞社