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日本工業経済新聞社(山梨)
2016/12/12

【山梨】中央市でリニア用地取得進む

 JR東海によるリニア中央新幹線の建設で、中央市での用地取得の進捗状況について、後藤斎知事は県議会一般質問(12日)の答弁で、「JR東海では、事業用地の対象となる市内9地区のうち8地区で中心線測量を終了し、引き続き道路や水路の付け換えのための設計や協議を進めており、このうち2地区について用地取得へ向けた測量調査に着手した」と説明した。
 さらに「市とJR東海で移転に向けた協議を進めている公共施設のうち、田富北小学校については隣接地への移転方針が決定されたことを踏まえ、今後のスケジュールや補償範囲など、移転に関する基本的な取り扱いについて、引き続き協議を行うこととしている」と答弁した。河西敏郎議員(自民党誠心会)の質問に答えた。
 河西議員は、用地提供に向けては、住民の理解と協力が不可欠で、特に中央市ではリニアが新山梨環状道路と平行して通るため日影や騒音などがどうなるのか大きな関心になっていると指摘。測量や調査を行わなければ具体的な補償内容が説明できないが、相手の立場に立って丁寧な説明が必要と訴えた。
 後藤知事は、県ではJR東海に、住民の疑問に的確に答える資料の提供や丁寧な事業内容の説明を行うよう要請するとともに、(県の)リニア用地事務所に寄せられた質問や要望について、迅速かつ丁寧な対応に努めていると答弁。
 さらに「土地、建物などの補償に関する質問について、JR東海から基本的な考え方の説明を行っているが、今後の用地交渉は県が具体的な内容を説明をすることにしており、地権者のご理解をいただけるよう、真摯に取り組んでいく。今後も、JR東海や地元の市町と連携を図り、道路、水路の付換協議や用地説明会など、事業の進捗に応じた段階において、地域が抱えるご不満の解消に向けて、丁寧な説明や適切な情報提供に努めていく」と述べた。