京都市は9日、高齢者福祉施設用地として活用する東山区の新十条通稲荷山トンネル上部用地について、売却先予定事業者を明らかにした。
売却対象物件は20年6月に開業した新十条通稲荷山トンネルの上部用地のうち、本町通に面する用地。東側用地が東山区本町二十丁目440−2他8筆の1003・89u、西側用地が東山区本町二十丁目441−1他16筆の1465・79u。合計面積は2469・68u。
応募事業者は、医療法人社団育生会(新設予定の社会福祉法人京都育生会(仮称)を構成員とする共同申込み)と社会福祉法人洛東園の2事業者。
第一段階選抜(活用計画の審査)を11月17日に実施した結果、育生会は84点、洛東園は95点で、それぞれ60点(第一段階選抜の通過のための最低基準点)以上の得点を得た。
市は予定価格(最低売却価格)について、東側用地と西側用地一体で3億7200万円、東側用地のみで1億4800万円、西側用地のみで2億2400万円に設定。第二段階選抜(価格競争)は11月30日10時30分に実施した。
買取希望価格は育生会が4億5163万円、洛東園が4億1500万円となり、育生会を売却先予定事業者に決定した。
久野病院や第二久野病院を運営する医療法人社団育生会(理事長久野成人氏、京都市東山区本町二十二丁目500)の活用計画によると、西側用地に地域密着型特別養護老人ホーム(29人)、短期入所生活介護(9人)、認知症高齢者グループホーム(27人)、小規模多機能型居宅介護、東側用地に老人デイサービスセンター、地域交流スペースを設置する。
新十条通稲荷山トンネル上部用地の用途地域は第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)。その他規制は準防火地域、15m第2種高度地区、山ろく型美観地区・山ろく型建造物修景地区(B伏見・山科地区)、屋外広告物第3種地域、京都市屋外広告物等に関する条例第11条第1項第6号に規定する鉄道等及びその隣接区域。最寄り駅は京阪鳥羽街道駅。西側用地の南側には第二久野病院、東側用地の東側には鳥羽街道団地がある。