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日本工業経済新聞社(山梨)
2016/12/09

【山梨】成長期にやりがい 笛吹市・山下正樹市長就任インタビュー

 11月14日に就任した山下政樹笛吹市長。市民が幸せを実感できる「ハートフルタウン・笛吹」の実現に向けて、ブランド農業と観光再生、子育て支援を重点政策に据えて、行財政改革や人口減少の諸課題に取り組む。合併から10年余が経過し歴史を刻む笛吹市のかじ取りを担う山下市長に、抱負と施策展望を聞いた。

 ―市長就任後、現在の心境は。
 山下 職員に負けないようなタイトなスケジュールをこなしている。どこの市でも課題はある。笛吹市は誕生してから12年であり、これから大人の仲間入りをし成長していく時期。今後も住民の皆さまにお願いしなければならないことも多くある。傷みも伴うが、皆で分かち合っていかなければならないと考えている。

 ―観光再生への進め方は。
 山下 東京オリンピックまでの5年間は海外からの観光客も増えるだろうが、その先は不透明。一番の問題は目的とされる観光地ではないこと。昔は温泉に入ることが目的であったが、そういう時代は終わったと思う。今は観て、体験して、感じても楽しい≠ニころとして目的地とならなければならない。
 本市の四季は、地域ごとに顔が違う。今あるものに磨きをかけて1年間を通した笛吹物語≠作っていきたい。観光の環境を整備して、スポーツ合宿などにも力を入れていきたい。

 ―ブランド農業については。
 山下 農産物の質は間違いなく日本一であり、まず生産量を落とさないことが重要。日本一の生産量、耕地面積をもっとアピールしていく必要もある。担い手育成には時間がかかるが、技術を教え、農地や住居、資機材の面倒をみて、一人前に育てるまでの総合的なシステムを構築したい。

 ―注目されるミズベリングや給食センター建設は。
 山下 ミズベリングのうち、笛吹川親水護岸と近津用水整備はそのまま進める。NTT用地は構想から外して、地域再生のひとつとして利用を考えていく。用地取得は3月定例会で議会に諮り、活用方法は1〜2年をかけて地域住民と研究して決めたい。
 石和の学校給食センターは、議会に諮りながら予定どおり進めたい。

 ―今後のインフラ整備は。
 山下 財政も厳しいなか、昔のように進めることは難しい。長寿命化計画も策定してあるので、これに沿って進めていきたい。砂原橋の両岸についても、滞っていた地権者との交渉が年明けからにも動き出す予定になっている。

 ―公共施設の統廃合は。
 山下 残念ながら、人口減少対策を講じても45年後には約1万5000人くらい減ると言われている。統廃合は、しっかり計画を策定して、少しずつ総合的に進めざるを得ない。

略歴

山下 政樹(やました まさき) 1966年5月11日生まれ。拓殖大学卒後、衆議院議員秘書を経て、2003年4月山梨県議会議員初当選。以後4選を果たした後、16年11月笛吹市長に就任。趣味は読書、ゴルフ。笛吹高校サッカー部後援会の会長としての応援に全力を挙げるが、就任後は時間がとれず、監督から試合報告のメールが来るのが楽しみ。