第5次総合計画後期基本計画の策定を進めている鹿児島市は、素案でパブリックコメント手続きを行い、案に路面電車観光路線の新設を追記した。実現には県の理解が必要で、三反園訓県知事は鹿児島港本港区エリアの整備検討を表明している。また、田上小学校周辺は土地区画整理事業導入を目指す。
ドルフィンポート敷地周辺を含む鹿児島港本港区の港湾施設は県が管理しているため、知事の意向が反映される。2017年度当初予算に活用方策等を検討する事業費を盛り込む方針を示し、県議会で前向きな考えを明らかにした。
また、森博幸市長は、観光路線新設およびサッカースタジアム建設に向け、2016年度中にも協議会を立ち上げたい考えを定例記者会見で表明。スタジアムの建設地は、市有地に該当する敷地がないため、県有地を活用したいとの思いがある。
背景には、ドルフィンポート敷地の定期借地権契約が20年6月に満了。さらに、住吉町15番街区が更地化され、一部が駐車場として貸し出されているものの、利用促進などが叫ばれていることがある。
田上小周辺の土地区画整理事業は、09年度から11年度に行った市街地整備手法検討事業で面的整備が必要な地区に指定。新川と県道鹿児島東市来線が地区中央を縦断しているため、県との調整が不可欠であり、整備時期や河川計画等について協議を重ねている。
なお、後期基本計画(17〜21年度)案は、8月から実施した素案のパブリックコメント手続きや地域別・テーマ別の市民意見交換等を通して聴取した意見や新たな施策等を反映して取りまとめた。