日刊建設工業新聞
2016/12/09
【鳥取】出上と国府地区道路改良工事 2地区の事業化現実目指す
県中部総合事務所は、県道船上山赤崎線・出上地区と県道倉吉東伯線・国府地区の改良計画について2017年度の事業化に向けた準備を進めている。2地区とも幅員が狭く歩道もない状態が長く続いており、17年度の事業化を財政当局に要望している。
出上地区は、JR赤崎駅から南側にある集落で、近くには山陰道・琴浦船上山IC。さらに、上流域にある「船上山少年自然の家」は年間2万6000人の利用客があることから交通量は多い。しかし、成美郵便局などがある地区の中心部は、道路幅員が全幅6bと狭いほか、道路沿いに民家や店舗。また、見通しの悪いカーブもあるため、交通安全対策を望む声が数多く出ている。
このため、国道9号〜山陰道IC〜船上山のスムーズにするためには出上地区の現道を迂回するバイパスの新設が必要だとしており、同事務所県土整備局では今春から基礎的な調査を進めている。ルートの案などは確定していないが、同地区に入る手前(赤碕側)から集落内を迂回して集落の上側で現道に接続させることが有力。同県土局では、500b程度(幅員は全幅10・25bの片側歩道)のバイパスが必要になっている。
一方、県道倉吉東伯線が通過する倉吉市国府(こう)地区は、通学路でありながら歩道がない危険な状態が続いている。同線や倉吉環状線などが交差するほか、東側に工業団地や北条湯原道路の倉吉西インターがあるため交通量は多い。このうち国府橋西詰めから環状線の交差点までの400b間は道路沿いに多くの民家が並んでいるが、路線バスの停留スペースもない。さらに、バス停付近に横断歩道もあるため、改善が必要な通学路。また、降雪時には除雪が困難なため消雪パイプを設置している。拡幅を実現させるには用地買収の比重が大きいと見られるが、「倉吉市内でも交通安全対策が急がれる区間」である。
同県土局では、地元と調整しながら早期の整備を目指す考え。