関東地方整備局が6日に開催した2016年度第8回事業評価監視委員会で、国道464号北千葉道路が審議案件(再評価)となり、事業の継続が了承された。再評価の対象となったのは全体9・8qのうち、成田市北須賀から押畑までの国施行区間5・6q。再評価では、事業費が前回評価時の398億円から約51億円増加し449億円となった。今後、18年度の暫定2車線での供用開始へ向けて、地元と協議調整を行いながら工事を進める。(3面に関連記事)
北千葉道路の事業区間は印西市若萩から成田市押畑までの約9・8q。このうち印西市若萩から成田市北須賀までの約4・2qが県施行区間。北須賀から押畑までの5・6qについては、成田空港へのアクセス強化という事業の位置づけや早期完成を図るため、国が直轄権限代行として事業を実施している。
同区間は06年度に着工し、北須賀から成田市船形間1・8qが13年度に2車線で開通。残りの3・8qについて、18年度の2車線開通に向け、頃久保高架橋、松崎ランプ橋などの橋梁工事や大谷津函渠などの函渠工事を推進している。
今回の評価では前回の評価時に比較し、事業費が約51億円増加した。増加要因の内訳は、@環境基準値不適合土砂の処理約30億円A地質条件の相違約13億円(松崎IC周辺関連約5億円、大谷津函渠関連約8億円)B盛土材の土質改良約8億円。
北須賀地区及び押畑地区で産業廃棄物及び環境基準値を超える有害物質(ヒ素・フッ素)が確認されたため、この処分が必要になったほか、松崎IC周辺の土工部と大谷津函渠工事で、当初想定していた設計条件に対して工事着手後に土質条件が変更となったため、軟弱地盤対策工を変更する必要が生じた。また、流用土のコーン指数を測定した結果、路体盛土に求められる基準に合わなかったため、土質改良を行うことになったことから事業費を増額した。
このほか、県施行区間でも約20億円の増額となる見通しとなっている。県施行区間の増は、@詳細な地質調査に伴う事業費増約10億円A建設発生土流用先の変更に伴う事業費増約3億円B環境に配慮した道路施設の変更に伴う事業費増約4億円C鉄道近接施工に伴う事業費増約3億円。
調整池の施工で、軟弱地盤対策が必要となったほか、橋梁下・上部工でクレーン足場地耐力対策等の追加及び流用土の強度不足による改良を行う必要が生じた。また、成田市内の事業で使用する予定だった建設発生土の一部について、銚子連絡道の事業へ変更する必要が生じ、運搬費が増加。(仮称)印旛沼渡河橋の道路照明を高欄照明に変更し、併せてLED化を行うため、事業費が増加。鉄道近接工に伴う事業費は、安全対策に伴いFEM解析、動態観測を追加し、鉄道見張員を追加する。県施行区間の事業費は前回評価時約420億円で、本年度で実施する再評価では約440億円となる見通し。