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建設新聞社
2016/12/07

【東北・福島】CLT初導入、北沢又と下湯長谷の復興公営住宅2地区4棟計8500uの設計委託

 福島県土木部は、CLT(直交集成板)工法を導入した初の復興公営住宅(共同タイプ)となる2地区の設計業務委託者を決定した。福島市の北沢又2地区は4780万円で共同設計、いわき市の下湯長谷地区は4900万円で宮古建築設計事務所とそれぞれ契約した。
 委託者は、11月30日に実施した9者〜10者指名による見積もり合わせで選定し、5日に契約。見積もり提出者は、北沢又2地区(予定価格5416万1000円)が共同設計のほか小島建築設計事務所、菊地設計、小坂建築設計工房、田畑建築設計事務所、フォルム建築計画、杜設計、白井設計、山口設計。
 下湯長谷地区(予定価格5200万円)が宮古建築設計事務所のほかエーユーエム構造設計、エスデー設計研究所、共立建築設計事務所、清水公夫研究所、水上設計、辺見美津男設計室、永山建築設計事務所、邑建築事務所、ノア・アーキテクツ(無効)。
 北沢又2地区の建設用地は、福島市立北沢又小学校などに隣接する福島市北沢又台前地内。ここに、CLTパネル工法によるW造3階建て、延べ約2350平方b(30戸)の共同住宅2棟を整備する。
 一方、下湯長谷地区の建設用地は、いわき市常磐下湯長谷町地内の県有地。同じくCLTパネル工法を採用したW造3階建ての共同住宅2棟、合計延べ約3800平方b(51戸)を整備する。各棟の戸数振り分けについては、設計の中で詰める。
 ともに、履行期限は2017年3月31日で、17年度に着工する。
 なお、下湯長谷地区は、今回委託した2棟の用地北側に民間買取方式でさらに2棟(57戸)の整備も計画し現在、事業者の募集手続きを進めている。買取型としては初めてCLTパネル工法の採用を可能としており、採用した場合は1戸あたりの標準建設費を上乗せする。事業者決定は17年2月上旬ごろ。
 県では、原発事故等で苦境に立たされた林業の復興・再生への起爆剤としてCLTに着目。県産材の新たな需要創出等を目的に、東日本では初めてCLT加工工場の整備を立案し調査に着手するなど、CLTの研究開発や普及促進に努めている。今回の復興公営住宅への導入もその一つで、被災3県では初の取り組みとみられる。

 提供:建設新聞社