三重県総務部は、「三重の財政〈2015年度財務報告書〉」を作成した。15年度の一般・特別会計の決算の内容、県債の状況、財政指標、資産カルテなどを盛り込んだ。特に資産カルテでは、三重県総合文化センターなど6施設について、施設状況や今後の修繕計画などを示した。
15年度決算のうち一般会計の歳出状況を見ると、歳出総額は7365億円で、前年度に比べ354億円、5%の減。総額のうち土木費は830億円で、同39億円、4・5%の減。これは、道路整備交付金事業費の減少(18億円減)などによるもの。農林水産業費は、326億円で、同29億円、8・3%の減。これは、治山事業費の減少(11億円減)などによるもの。また、当初予算額との決算の比較では、翌年度繰越額、不用額で391億円の差額が生じた。このうち、翌年度繰越額は315億円で、主なものは、土木費が191億円、農林水産業費が66億円、災害復旧費が22億円だった。
この他、普通会計の歳出決算額における普通建設事業費の06年度以降の推移を見ると、06年度が1385億円で最も高く、以降、1200億円台で増減を繰り返し、11年度に1179億円に下がり、その後、14年度に1088億円、15年度に1019億円と減少傾向が顕著になっている。
資産カルテは、県有施設の大規模施設について、効果的な維持管理や、施設整備に対する県民の理解を得るなどの目的で、財務情報などをまとめた一覧表。ハード面では施設の整備・修繕の履歴や予定、耐震化・バリアフリー化状況などを示した。
各施設の施設整備の今後の予定などは次の通り。
〈三重県総合文化センター〉(津市)―1994年供用
・延べ面積―4万6305平方b
・施設運営形態―指定管理者・三重県文化振興事業団
・大規模改修等計画(予定)
▽16年度―建築設備・建築物(5億円)▽34年度―同(5億円)
・修繕計画(予定)
▽16〜17年度―舞台修繕(4億3700万円)▽18〜43年度―舞台設備(25億2000万円)▽16〜43年度―建築設備(26億0800万円)
〈三重県立美術館〉(津市)―82年供用
・延べ面積―1万0666平方b
・施設運営形態―直営
・大規模改修等計画(予定)
▽15〜18年度―5億2200万円
・修繕計画(予定)
▽16年度―施設設備(7500万円)▽17〜18年度―同(3億0600万円)▽19〜31年度―同(1億5100万円)
〈三重県営サンアリーナ〉(伊勢市)―95年供用
・延べ面積―2万4312平方b
・施設運営形態―指定管理者・スコルチャ三重
・大規模改修等計画(予定)―なし
・修繕計画(予定)
▽16年度―4400万円▽17年度―1億2900万円▽18年度―2億4400万円▽19〜44年度―26億円
〈三重交通Gスポーツの杜 鈴鹿(三重県営スポーツガーデン)〉(鈴鹿市)―92年供用
・延べ面積―3万4214平方b
・施設運営形態―指定管理者・三重県体育協会グループ
・大規模改修等計画(〜42年予定)
▽サッカーラグビー場〈芝改修〉(6億円)▽水泳場〈外壁など〉(8億9300万円)▽体育館庭球場〈人工芝など更新〉(9億円)
・修繕計画(〜42年予定)
▽サッカーラグビー場機器(5億円)▽水泳場機器(60億円)▽体育館庭球場機器(21億円)
〈三重交通Gスポーツの杜 伊勢(三重県営総合競技場)〉(伊勢市)―65年供用
・延べ面積―1万0530平方b
・施設運営形態―指定管理者・三重県体育協会グループ
・大規模改修等計画(〜22年予定)
▽陸上競技場(91億0500万円)▽体育館本館・別館(7億8000万円)▽トレーニングセンター(1億2000万円)
・修繕計画(〜22年予定)―修繕は、改修に合わせて実施
〈三重県総合博物館〉(津市)―14年供用
・延べ面積―1万1705平方b
・施設運営形態―直営
・大規模改修等計画(予定)―なし
・修繕計画(予定)
▽16〜20年度―建築・施設設備(4億1900万円)▽21〜30年度―同(15億5900万円)▽31〜40年度―同(28億5600万円)▽41〜50年度―同(8億7700万円)▽51〜60年度―同(11億2000万円)▽61〜70年度―同(6億2300万円)
提供:
建通新聞社