東京都は2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会の会場計画の見直しで、横浜アリーナの活用について横浜市の実務担当者らと協議の場を設けて実現可能性を探るとともに、有明アリーナのさらなるコスト縮減策や民間活用方策を並行して検討していく。小池百合子知事が12月2日の定例会見で明らかにした。
有明アリーナは、オリンピックのバレーボール、パラリンピックのシッティングバレーボールの会場とするために都が恒久施設として建設する計画で、既に実施設計と施工を一括して契約している。しかし、建設費や維持管理費を問題視した小池知事が見直しを指示。現行計画に沿って新たな施設を建設するか、既存施設である横浜アリーナを活用するかの2案に絞り込んでいる。
小池知事は横浜アリーナについて、警備や輸送、地権者や国際競技連盟の同意といった課題に対応することが可能か、横浜市の実務担当者と都の担当者による協議の場を設け、早急に検討を進める意向を示した。
一方、有明アリーナについては「404億円だった建設費は現在、約60億円削減可能になっている」と述べ、さらなるコスト削減の取り組みを検討するとともに、「コンセッション方式などさまざまな民活手法の検討も並行して進めていく」とした。
11月29日に開かれた国際オリンピック委員会(IOC)と政府、都、大会組織委員会の4者協議で「クリスマスまで」とした結論の時期に関しては、「IOC関係者らがクリスマス休暇に入ることを念頭に、できるだけ早くしたい」と述べた。
提供:建通新聞社