水産庁は、2017年度予算に向けて公共事業の事前評価で特定漁港漁場整備事業(フロンティア漁場整備事業)大隅海峡を了承した。対馬暖流系群のサバ・アジ・イワシの漁獲量が減少していることから、新たな漁場としてマウンド礁を整備する。事業期間は17年度から21年度までで、総事業費は37億円を見込む。
地区の特長は、九州南部の大隅半島と種子島の間の大隅海峡に位置する水深約100mの海域で、サバやアジ等を漁獲するまき網漁業等の良好な漁場であり、多くの魚類の産卵場となっている。
事業は、対馬暖流系群の漁獲量が減少していることから、大隅海峡において栄養塩の豊富な底層水を光の届く表層に供給し、海域のプランクトンを増大させ、魚の生息の場とする目的。マウンド礁の施設規模は高さ約19m、延長約160m、幅約80mで、耐用年数は30年を予定。
さらに、周辺水域に保護措置を行い、まさば等の資源を増大させることで、水産物の安定供給を図る考えで、直轄により事業を実施する。
事業化に向けては、整備予定地の海底地形や底層流状況、底層栄塩塩量の概略、マウンド礁の周辺水域における資源管理措置については調査済み。また、県と整備予定海域、事業費負担の考え方、沖合と地元沿岸の漁業者とも調整済みとなっている。