熊本県建設産業団体連合会は、県内建設業者が自社PR用のホームページやパンフレットを製作する費用として、10万円を限度に補助する。県の建設産業入職支援事業費補助金交付制度を活用し、県内高校生の入職促進に繋げる狙い。「平成28年度限りの取り組みとなるため積極的に活用してほしい」と呼びかけている。
県建設業協会が会員企業に調査した「新規高卒者の採用アンケート」(回答数180社)によると、採用見込みは29年入社195人、30年入社186人、31年入社179人。6割以上の企業は普通高校生でも構わないと答えており、従業員の高年齢化への対応等で企業の採用意欲は高まっている。
一方、県立高校建設系学科の28年3月卒で建設産業に就職した生徒の55%は県外を選択。熊建協支部と高校との意見交換で、普通高校の教師は「建設業の就職実績が少なく、業界についての知識も少ない」と話していた。現場見学会や現場実習の実施により、建設産業への高校生の関心・興味は高まってきたが、売り手市場が続く中、興味を持った生徒を県内、地元、自社への入職に繋げるのは容易ではない。
ホームページ・パンフレットの自社PRツールは学校訪問や企業説明会、パソコンやスマートフォンから生徒への情報発信に重要な役割を果たしており、生徒が企業を選ぶ際の必要な情報源となっている。また、進路決定を後押しする進路指導教諭や保護者に企業情報や採用情報を発信することも入職の一つの要因となっている。
アンケートによると、52%の企業が自社PRツールを「持っていない」と回答している。一般的には「持っているのが当たり前」とさえ言われるホームページとパンフレット。人口減少により他産業、同業者との熾烈な採用競争を勝ち抜くためにも自社PRツールは欠かせない。
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