東京都の小池百合子知事は12月1日、2016年第4回都議会定例会の開会に当たって所信表明し、現在策定中の2020年に向けた実行プランについて「今後4年間に集中的に取り組む施策を盛り込む。具体的な政策目標も定め、工程表を明確にすることで実効性を高める」「2020年の先を見据えた東京の明るい未来像も大胆に描き、これまでの延長線を越えた政策を立案する」との方針を打ち出した。安全・安心を確保するための取り組みとして「東京の電柱をゼロにすることを目指したい」とも述べ、無電柱化を推進する条例案を検討する意向も示した。
実行プランについて小池知事は、「これまでの長期ビジョンに掲げた取り組みをさらに進化、加速させ、新たな発想を取り入れた政策」だと説明。一つ一つの施策に具体的な目標を定め、明確な工程表も作成する。20年以降の少子高齢化の急速な進行や人口減少など見据えつつ、東京の未来像も明確化する。
「熟慮に熟慮を重ねて進めてきた」と20年オリンピック・パラリンピック競技大会の施設見直しについても触れ、海の森水上競技場とアクアティクスセンターを当初の計画地に新設する一方、有明アリーナの整備については「さまざまな観点からさらなる精査を行い、クリスマスまでの間に総合的な判断により最終結論を出したい」と述べた。
また、20年大会は「新しい東京づくりのチャンス」だとも訴え、安全・安心の確保に向けた取り組みをさらに推進する意向を示した。首都直下地震への対策として、「木造住宅密集地域での建物の不燃化や特定整備路線の整備を強力に進める」とともに、「無電柱こそ日本の新たな常識だ。東京の電柱をゼロにすることを目指したい」との方針を打ち出し、国の動きを踏まえつつ無電柱化を推進する条例案の検討に乗り出す考えを示した。福岡市の地下鉄工事現場での大規模な道路陥没事故を教訓に、道路や水道、下水道、都営住宅といった都有施設の総合的で計画的な維持管理を進めることも明言した。
提供:建通新聞社