岐阜県は、亜炭鉱廃坑跡防災対策事業費75億5366万円などを盛り込んだ総額147億4444万円の一般会計補正予算案を発表した。累計額は8524億8611万円で、前年度同期と比べて350億1091万円の増額、伸び率で4・3%増となる。
亜炭鉱廃坑跡防災対策事業は、旧亜炭採掘地区の中津川・瑞浪・可児市と御嵩町の3市1町で、地盤の脆弱(ぜいじゃく)性に関する調査と防災工事を行うための費用を、基金管理法人を設置して国と県が支援していく。
各事業別の予算額・概要は次の通り。
<南海トラフ巨大地震亜炭鉱跡防災対策事業基金の創設支援=75億5366万円>
亜炭鉱廃坑の予防的工事が行える「南海トラフ巨大地震亜炭鉱跡防災モデル事業」で3地区(約7・6f)の地下空洞防災工事を進めてきたが、2016年度末で同モデル事業の期限を迎える。
このため、基金管理法人を設置し、国と県からの補助金で、地盤の脆弱(ぜいじゃく)性実地調査や陥没防止工事を進めていく。
<畜産の収益力強化のための施設整備の支援=11億8404万円>
畜産クラスター計画を策定した畜産クラスター協議会が行う収益力強化や畜産環境問題への対応に必要な畜舎の整備や堆肥処理施設整備、汚水処理施設整備、鶏肉加工処理施設整備の補助金。
<農地・農業用水路の整備推進、農村地域の防災・減災対策=15億5870万円>
▽1地区において、農業集積を図るため、水田の乾田化などを実施する。また、14地区で老朽化した農業用水路の更新整備や補修などを行う=6億2270万
▽中山間地域の18地区でほ場整備や用排水路の整備など基盤整備を行う=9億0600万
▽農村地域の3地区で老朽化した農業ため池の改修など行う=3000万
<集中豪雨等対策による農業用施設の災害への備え=1億2000万円>
▽1地区において、緊急輸送道路ネットワークを形成する農道整備を行う=4389万
▽2地区でため池を改修する=7610万
<地震防災対策、暮らしの安全・安心確保対策の推進=8億8000万円>
▽応急対策用資機材の備蓄拠点1カ所を追加する他、仮設砂防堰堤設置に必要な資機材の購入、製作=1億5000万
▽斜面対策や冠水対策が必要な土岐可児線(土岐市)、国道361号(高山市)など7カ所の拡幅整備。岐阜環状線(岐阜市)、国道248号(多治見市)など9カ所の道路アンダーパスの排水設備、監視カメラ整備など。新堀川(瑞穂市)、水門川(大垣市)の河道掘削や護岸工。牧戸谷(飛騨市)、田代川(白川町)など6カ所の土石流危険渓流の土砂撤去など=5億9100万
▽中野方苗木線(中津川市)など5カ所の歩道設置などの緊急安全対策=1億3900万
提供/建通新聞社(2016/12/01)