(一社)千葉県建設業協会山武支部の内山弘通支部長をはじめ、古谷秀一副支部長、小松隆弘副支部長の正副支部長は29日、県山武土木事務所の平野秀明所長らを訪ね、AED(自動体外式除細動器)を1台、寄贈した。「人命救助も建設業が行うことができる社会貢献である」という観点から、同支部では8月に「山武郡市広域行政組合中央消防署によるAEDの普通救命講習会」を主催。会員をはじめ、県山武土木事務所、県山武農業事務所の職員ら43人が受講した。この時に内山支部長は、後日、山武土木事務所への「AEDの寄贈」を言明していた。
◆来庁者や近隣住民、安全・安心守る使命
この日の贈呈式では、内山支部長が平野所長らを前に「公共工事に携わる我々としては、地域の住民の安全・安心を守る使命がある。発注者の職員のみなさんをはじめ、来庁者や近隣住民がいざという時に役立てて頂ければと思い、AEDを寄贈することとした」と説明。加えて「我々も貴重な税金を使わせて頂いている公共事業に対して、今後も様々なご指導を頂きながら頑張る所存でいる。重ねてご指導を賜りたい」と要望した。
◆不測の事態に備え万全の態勢に感謝
これを受けて平野所長は「山武支部会員の方々には、大雨をはじめとする災害時の活動に協力を頂いている。この場を借りて、改めて御礼申し上げる」と述べたうえで、山武農業事務所との合同庁舎によるこの土木事務所には「管理や建築、建設業の許可、各種相談関係などで来庁される方も多い」と説明。そのことからも「AEDを設置することにより、来庁者のみなさんと近隣住民の方々の不測の事態に備えることが出来ることに対して、感謝申し上げたい」と重ねて謝意を表した。
◆救急車到着までの8・6分がすべて
8月の普通救命講習会の席で、内山支部長は「災害に対する地域貢献だけでなく、地域の中で各現場を受け持つ我々が、近くで事故が起きた時に、人命救助という形で地域に貢献できることを目的として開催させて頂いた」と強調。さらに、救急時の一時救命処置について「日本では119番通報をした後、救急隊が到着するまでに全国平均で8・6分かかる。その間に一時救命処置を行うことで生存率が2倍になる」とし「ここで得た正しい知識と、みなさんの堅い意志の下で、有事の際には地域を守る建設業者として、人命救助にも貢献してほしい」と力を込めた。
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日本におけるAEDの普及数は約40万台で世界一を誇るが、実際の使用率は3〜4%に留まる。AEDの使用について、一般的には電気ショックが1分遅れるごとに、生存率が7〜10%下がると言われている。