建通新聞社(神奈川)
2016/11/30
【神奈川】神建協と県住宅営繕事務所 意見交換会 「設計図書の取得方法」など発注者側に改善を要望
神奈川県県土整備局住宅営繕事務所と神奈川県建設業協会・建築委員会メンバーとの意見交換会が29日に開かれ、公共建築工事の受・発注双方の立場から、設計変更や積算の考え方など、入札・契約にかかわる諸課題とその対応などについて話し合った。建協会員からは、設計図書の取得方法について「担当部署渡しではなく、電子データによる配布」を求める声が出たほか、設計変更などに関連して「設計時の現状調査を十分にしてほしい」などの要望が出た。
神建協建築委員会の井上裕司委員長はあいさつの中で、「県財政が厳しい中、入札制度については順次改善が成されている」と一定の評価をするとともに、「先日公表された新まなびや計画などによる県立学校の再整備など、今後の発注工事の増加をさらに期待したい」と述べた。その上で、「入札手続きや設計積算などについて、会員から改善を求める声が出ているので、各項目について見解をいただきたい」と求めた。
住宅営繕事務所の根岸宏文所長は、11月末時点での入札契約件数の見込みについて説明した後、「全体の約3割強がインセンティブ発注またはいのち貢献度指名競争入札である。また早期発注や年度をまたぐ工事の発注など、平準化の視点に立って業務を進めている。引き続き、計画的な発注に努めたい」などと述べた。
神建協会員からは、入札手続きなどに関連して「10月以降の発注工事については、なるべく早い時期に公告してほしい」「開札から落札候補者の決定をもう少し早くしてほしい」「設計図書の取得方法を担当部署渡しではなく、電子データによる配布にしてほしい」などの意見が出た。
設計変更については、「団地個別改善工事で、電気設備、機械設備工事のスペック(仕様)がたびたび変わるので一定にしてほしい」「設計時の現状調査を十分にしてほしい」などの要望が出た。
積算については、「団地個別改善工事で、機械設備工事の単価の一部に根拠不明な箇所があった」「建設汚泥処分地(または施設名)単価公表施設など回答なし」といった指摘や、「県土整備局建築資材単価表を電子化(ネットで閲覧)してほしい」「同一の見積もり項目の単価が案件により差異が生じている。今後チェックと統一をお願いしたい」などの要望があった。
このほか、書類の簡素化について、工事写真の量をはじめ「簡素化されているとは思えない」との意見が多数あった。
提供:建通新聞社