富山県議会11月定例会は29日再開され、北陸新幹線の敦賀以西ルートに関する代表質問に対し、石井隆一知事は「小浜―京都案が望ましい。早期の全線整備は北陸・関西だけでなく、日本全体の飛躍、発展につながる」と小浜―京都ルートを支持する考えを明らかにした。
22日に開かれた県と地元関係者との意見交換会では、乗り換えがなく、運賃が最も安い小浜―京都ルートを推す意見が大多数を占めた。30日の与党プロジェクトチーム検討委員会において、富山県の意見を表明し、「中京圏への利便性に配慮するほか、北海道新幹線・札幌開業ごろまでの全線開業を求めていく」と強調。今後は沿線の関係府県らと連携して、「政府などに対し、年内にルートが適切に決定され、17年度予算で環境アセスメント調査が執行されるよう働きかけていく」と述べた。
ポスト新幹線を見据えた将来構想では、世界で最も美しい湾クラブに加盟した「富山湾」、世界ブランド化を目指す「立山・黒部」の付加価値化を挙げ、「富山湾を冠した事業、沿岸部を結ぶ湾岸道路整備など官民連携で魅力向上に努める。立山・黒部については世界文化遺産登録、ジオパーク、地熱発電など魅力の発掘、発信に取り組む」と説明。総合計画の見直しに伴い、戦略的プロジェクトの中に位置づけるとした。