貴重な体験で視野を拡げ将来につなげて 大村市民病院で小学生向け現場見学会 大村市立富の原小学校の6年生とその保護者らを対象にした現場見学会が26日、大村市民病院改築工事現場で行われた。同校の保護者から(一社)日本建設業連合会(日建連)の本部に直接相談が寄せられたことをきっかけに、施工する渇恆コ組との共催で実現したもの。日建連によると、このような形での現場見学会の開催は初めてだという。
保護者の本澤知子さんは、ことし8月23日に日建連が長崎県庁舎の行政棟新築工事現場で行った『けんせつ小町活躍現場見学会』に親子で参加したことがきっかけで、日建連に連絡。本澤さんは今回の見学会の冒頭、(自らが勤務する建具業を含め)どの業種でも若手の入職不足に悩んでいるとした上で「地元大村でも、めったにないような大規模な工事が行われている中、現場内に入るという貴重な経験をして視野を広げてほしい。そうすれば将来、進路を考える際に、この記憶を思い出して建設関係に進もうと思う子供が出てくるかもしれない」と、今回の見学会に対する思いを述べた。
学校側もこの思いを受け学級レクリエーション≠ニして現場見学会の開催を決定。本澤さんのお子さんのいる6年5組の児童とその保護者・兄弟、担任の先生計23人が現場を見学した。
現場内で職業体験工夫を凝らした見学会 現場は、S造6階塔屋1階建て延べ1万5896平方b、病床数216床の新病院棟の躯体工事が終わり、内装工事に取り掛かっている段階。当日は、最上階で富の原小学校方面を眺めたり、普段は入れない手術室内の施工状況を見学。さらには、現場の壁を実際に使ってのクロス張り体験や、高所作業車の屋内試乗体験なども実施。広く、かつ作業の音が響く現場内で、説明の声が聞こえるよう参加者全員にトランシーバーを装着させるなど、施工者(奥村・和間・瀬尾JV)がさまざまな工夫を凝らした中での見学となった。現場見学後には、奥村組九州支店の社屋・寮新築工事を施工した奥村組のけんせつ小町工事チーム「八幡ひまわり」の活躍を紹介するビデオ上映も行った。
参加した児童からは「工事にはどれくらいのお金がかかるのか」や「何台の機械で施工するのか」「何人で工事を進めているのか」といった質問のほか、「どのような安全対策をしているのか」と、小学生とは思えない質問も飛び出した。
大人が頑張る姿を子どもに見せる 最後に、6年5組の担任の井手伸一郎教諭が「子どもたちは照れて、今はあまり話をしていないが、多感で、さまざまな影響を受けるこの時期に、めったにできない貴重な体験やお話をお伺いできたことには大きな意味がある」と関係者に深く感謝した。さらに「日本が元気になるのは、元気な大人を子供たちが見て『あんな大人になりたい』と思える社会をつくることだと思う。大人が頑張る姿をいろいろな機会を通じて見せることが大切だと感じた」と話し、2時間の見学会を締めくくった。