愛媛県がバイパス整備事業を進めている小田河辺大洲線(大洲市肱川町山鳥坂)で、事業計画見直しにより一時保留されていた用地買収交渉が今後、本格的に行われ2016年度の進捗を見据え、県は17年度に鹿野川トンネル(延長526b)坑口への取り合い道部分の工事に入る方針。鹿野川トンネルは18年度ごろの着工が見込まれている。
同整備は、山鳥坂ダム建設に関連し国道197号からダム上流部までの県道小田河辺大洲線を県と国土交通省が整備しているもので、県が国道197号から約1`区間を、延伸6・2`を国交省が付け替え整備している。
当初計画の県事業バイパス整備は、05年度に事業採択、08年度から用地買収に着手されていた。施工延長は1120b、車道幅員5・5b(全幅7b)。全体事業費は28億円。区間内には河辺1号橋(延長53・5b)と同2号橋(延長90b)、中間部に鹿野川トンネル(延長526b)の建設が計画されていたが、国交省施工箇所の一部でトンネル坑口の地質不良があり、ルート見直しが図られ、16年度中に確定するもよう。
このため、県の施工延長が鹿野川を渡河した箇所から国道197号までの約1`区間へ見直され、河辺1号橋の建設はなくなる。確定後に用地買収作業に本格的に着手される。県施工区間内の工事は、10年度に一部山切り工を行った他、15年度に河辺2号橋の橋台1基が建設されている。
国交省は、山鳥坂ダム本体工の20年度着工を見込んでおり、バイパス区間の肱川地区は住宅が連担しており幅員狭小・線形不良ながらダム建設に係る工事用車両の通行量が多く見込まれることから、ダム着工年度に合わせバイパス道として完成させることを目標に進められている。
また用地買収は、鹿野川トンネル坑口への取り合い道部分の他、河辺2号橋付近の用地買収も並行して推進され、残る橋台1基と橋脚2基の早期発注も目指される。鹿野川トンネルの東側には現道拡幅区間が約200bあり、同地区のトンネルへの取り合い道以外も用地買収が推進され完了次第、整備推進が図られる。
構造物の概要は河辺2号橋が延長90b、幅員7b(2車線)、下部工は橋台2基(1基建設済み)、橋脚2基、上部工は単純プレストレストコンクリートプレテンホロー桁と2径間連続プレストレストコンクリートコンポの複合桁。設計は四国建設コンサルタント愛媛支店(松山市)が担当した。
鹿野川トンネルの概要は延長526b、幅員は2車線の5・5b、全幅員6・5b。東側抗口から掘削。トンネル工は約3カ年の工期が見込まれることから18年度の発注となるもよう。
提供:建通新聞社