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建通新聞社(東京)
2016/11/22

【東京】都 城北中央など4調節池で17年度に本体工

 東京都建設局は、局地的な集中豪雨などに対応するための調節池の整備で2017年度、城北中央公園や境川金森、和田堀公園、下高井戸の本体工に着手する。16年度に実施する準備工事の進展を踏まえて順次、工事を発注する考えだ。当初予算での事業費確保を要求している。
 石神井川中流の洪水調整を行う城北中央公園調節池は、城北中央公園内の石神井川右岸と都立大山高校に挟まれた区間(板橋区小茂根5丁目〜練馬区羽沢3丁目)に新設する。コンクリートの箱を地下に構築し、洪水を引き込む越流堤と導流施設を配置するとともに、付属施設として放流渠、吐出水槽、沈殿槽、歩廊、管理棟などを設ける。容量は25万立方bを想定しており、治水効果を早期に発現するため2段階に分けて施工する方針だ。設計はパシフィックコンサルタンツ(千代田区)の担当。
 境川金森調節池は、境川中流域に新設する調節池の一つで、町田市の西田スポーツ広場(敷地面積約1万7000平方b)の地下に容量約15万立方b規模で新設する。地下にコンクリート造の貯留槽を配置し、洪水を取り込んで貯留し、排出するための越流堤、導流施設、放流渠、吐出水槽、沈殿槽などを整備する。平常時は上部の広場を利用できるようにする考えだ。設計は建設技術研究所(中央区)の担当。
 和田堀公園調節池は、善福寺川沿いの和田堀公園内に建設する。テニスコートに面した杉並区大宮1丁目地内の約9000平方bの敷地を利用。地下にコンクリートのプールを配置する掘込式とし、最大で1万7500立方bの水を取り込むよう、調節池本体や越流堤、導流施設、放流渠、吐出水槽、歩廊、管理施設などを配置する。上部は公園として利用するため、植栽や園路、照明、機械・電気設備なども整備する。設計は大日本コンサルタント(豊島区)の担当。
 下高井戸調節池は、杉並区下高井戸2丁目にある杉並区有地(旧東電総合グラウンド)の一部約1万3000平方bを活用して建設する。敷地を掘り下げてコンクリート造の調節池を構築し、神田川の洪水を取り入れるための越流堤や導流施設、維持管理施設(放流渠、吐出水槽、歩廊、スクリーン、維持管理車両昇降施設)、管理棟などを配置。大雨の際に調節池にためた水をポンプで排出する。容量は3万立方b。設計を建設技術研究所が担当した。
 建設局では17年度の「調節池等の整備費」として、16年度予算とほぼ同額の140億3500万円を要求。16年度に着工する環状七号線地下広域調節池(中野区、練馬区)や野川大沢調節池(三鷹市)などの整備と併せ、区部で時間雨量75_、多摩地域で65_の降雨に対応するための事業を着実に進めていく考えだ。

提供:建通新聞社