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西日本建設新聞社
2016/11/25

【熊本】連載「熊本地震〜復興の槌音〜Q」 俵山バイパスの開通

 道路工事をされている皆様へ、24時間ありがとう。感謝いたします。「南阿蘇村の本気で復興を考える会」(吉田俊郎代表)は、県道熊本高森線の俵山バイパス復旧工事を担当している建設会社に感謝の気持ちを込め、手作りの看板を設置した。熊本地震により熊本市方面から南阿蘇村に向かう主要道路の多くは通行止めのまま。急ピッチで作業が進められている俵山バイパスの年内開通は、復旧・復興への一歩を踏み出す村民の願いだ。

 考える会は、村で飲食店・雑貨店を営む店主や地域住民の女性らが中心となって5月9日に立ち上げた。村の復旧・復興を願い、情報交換や勉強会など住民で出来ることを模索して活動している。情報交換には会員以外も自由に参加できる。お茶を飲みながら雑談し、会話の中から復興に繋がりそうなヒントを見つけだすことも。中でも地震直後に道路が遮断し孤立化した経験から、道路に対する住民の関心は高まっているという。
 南阿蘇村は、俵山バイパス以外にも国道57号の斜面崩壊や阿蘇大橋の崩落、村道栃の木・立野線など熊本方面へ向かう道路が7カ月を経た今も通行できない。吉田代表は「村民に今一番欲しいものを尋ねると、多くの人が口を揃えて『道』と答える。使えなくなって初めて道路の有り難さを感じている。道路が繋がることは人の命も繋がる≠フではないだろうか」。
 現在は、俵山バイパスの代わりにグリーンロードが生活道路や物資輸送路としての機能を果たしているが、勾配がきつくカーブも多いことから事故や渋滞が発生し、冬季には道路凍結が心配されている。村外への通勤・通学が不便になり、二重生活を送っている人もいる。
 看板はダンプカーが行き交う道路沿いに2カ所設置されている。吉田代表は「昼夜を問わず工事を行っている作業員の方にどうにかして感謝の言葉を届けられないかと考えていました。これから朝夕は益々冷え込んできます。体に気をつけてもらい、無事に工事が終わることを願っています」と気遣う。
 トンネルの復旧工事(鹿島・杉本JV)を担当する杉本建設の杉本素一社長は「地域の方からの励ましは心強く、看板を見ると現場の士気も高まってくる。皆さんの期待や思いに早く応えられるよう頑張りたい」と話す。

提供:西日本建設新聞社
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