松戸市の松戸駅周辺まちづくり委員会(委員長・福川裕一千葉大学名誉教授)が22日開かれ、新拠点ゾーンの検討状況について市から報告を受けた。この中で市は、約7haを対象に区画整理事業による整備を検討していることを明らかにした。これに関連して6月には、関東財務局と松戸駅周辺地区において最適な土地利用を図る覚書を取り交わすとともに、URとは同地区におけるまちづくりの推進に関する基本協定及び、業務の実施に関する協定を締結。現在、URの協力も得ながら事業の具体化に向けて検討を進めている。
新拠点ゾーンは、松戸駅周辺で唯一、まとまった開発余力を持つ駅東側の地区。区画整理事業範囲として検討を行っているのは、公務員宿舎(相模台住宅)跡地、松戸中央公園(都市計画決定面積2・1ha)、市道、法務局跡地、相模台公園(都市計画決定面積0・4ha)、それに一部聖徳学園用地及び個人地権者の土地を含む約7ha。
大部分が国有地で地権者の数が少なく、低未利用地であることから、地権者の合意形成が比較的容易だとして、市の公共施設再編と一体となった土地区画整理事業によるまちづくりを検討している。
新拠点ゾーンは、これまでに策定した基本構想で、多機能拠点として位置づけ、豊かな市民活動をサポートする新しいタイプの複合施設(文化・子育て・教育・商業・公共公益的施設等)を配置。相乗効果を高めるため松戸駅東口や松戸中央公園との調和・連携を図るとともに、高低差のある地形を生かした建物形態にして機能的に施設を整備。交通環境への改善を図るため、駐車場・駐輪場等も併せて整備する計画。
また、松戸中央公園については、多機能拠点の整備に併せて公園の配置を見直すとともに、駅近傍の貴重な緑地空間や防災拠点として魅力ある公園に再整備。賑わいや交流を図れる空間として、イベントスペースなどを創出するなどとしている。
松戸駅周辺には、市庁舎や衛生会館、勤労会館、ゆうまつど(女性センター)、図書館、市民劇場、文化ホール、市民会館等が点在。今後、公共施設等総合管理計画に基づき、新拠点ゾーンの整備に併せて再編整備が図られる見通しだが、22日の委員会では、すべてを新拠点ゾーンに集約するのではなく、一部の施設は地域において再整備することで、地域の活性化と回遊性の確保につなげてほしいとの意見も出た。
市は昨年度、松戸駅周辺地区まちづくり整備基本計画検討業務を日建設計へ委託。また、今後は、地権者とともに勉強会を重ねるなどして、合意形成を目指すことにしている。