福島建設工業新聞社
2016/11/22
【福島】ロボットテストフィールド関連/整備費20億を上乗せ
県は、南相馬市に整備するロボットテストフィールド整備事業の一環で、災害対応ロボットの実証試験に必要な災害模擬プラントとドローンの運航支援施設を整備する計画で、今後設計に着手する見通しだ。国の今年度第2次補正で災害対応ロボット・ドローン実証施設整備事業費が予算化されたのを受け、県が9月補正で関連予算19億9827万6000円を計上。国100%補助で整備する。
ロボット・ドローンは、人による救助活動や状況把握が制限された災害現場での活用が期待されている。一方で、ロボット自体の摩擦が2次災害の原因になりかねないほか、複数のドローンが同時に狭い空域を飛ぶための運航管理技術が開発・実証されていない。平時から実際の現場により近い環境で、継続的な実証やオペレーターの訓練ができるよう、国の補助で県が南相馬市等に整備するロボットテストフィールドに、それら機能を持つ施設整備を計画している。
補正で予算計上したのは@火災・ガス発生下の実証が可能な災害模擬プラントA長距離・長時間にわたり複数のドローンによる活動を可能にする運航支援施設の整備費。
災害模擬プラントは、火災・発煙・化学物質・ガス漏れ各模擬施設のほか、体温・音声・二酸化炭素・尿素等の生態信号を発生可能な被災者模擬装置などを想定している。
運航支援施設は、浪江町棚塩地内に整備する離発着試験用滑走路への運航試験を支援する無線基地局や、気象観測施設などの整備を計画する。
今後、両施設整備に向けた設計委託の手続きを進め、早期整備を目指す。
同フィールド整備に関しては、これまでに、主要建築物等を除く全体基本設計等業務(29年5月末納期)をパシフィックコンサルタンツ、研究開発等施設・国際産学官共同利用施設(ロボット)の基本・実施設計業務(29年10月末納期)を山本堀・URリンケージ設計共同体、設計関連CM業務(30年2月末納期)を建設技術研究所・アーバン設計・日総建設計共同体に委託した。
ロボットテストフィールド・研究開発拠点整備事業費は76・6億円、共同利用施設(ロボット)施設整備費は58・2億円を見込んでいる。主な施設計画概要は7月4日付既報。