東京都交通局は多摩川第一発電所(奥多摩町)の更新計画策定に向けた検討業務をニュージェック(江東区)に委託した。運転開始から60年近くが経過し、設備や建物の老朽化が進行しているため、主要設備の健全度調査や重量物の搬入ルートの検討、水門の点検手法の検討などを行い、更新計画を定める際に活用する基礎的な資料を2016年度中に取りまとめる。
多摩川第一発電所(奥多摩町原)は、都水道局が建設した小河内ダム(奥多摩湖)の直下にある交通局の所管施設。奥多摩湖の水を利用したダム式・ダム水路式の発電施設で、最大出力は1万9000`h。発電機器として立軸フランシス水車(出力1万`h2台)、立軸三相同期発電機(出力1万`㌾㌂、電圧1万1000㌾2台)、三相外鉄型屋外油入自冷式変圧器(容量1万`㌾㌂2台)、ガス遮断機(遮断電流25`㌂2台)を配置。送電線(多摩川線)を利用して下流にある東京電力の変電所に電気を送っている。小河内ダムとともに1957年に完成した。
設備や建屋の老朽化が進行しているため、今後も安定的に電力供給ができるよう更新計画を策定する。
これに先立ち、主要設備の健全度を調べるとともに運転データを整理。重量物を運搬するためのルートや第1水門・第2水門の点検手法などを検討する。17年3月14日納期で検討結果を取りまとめ、更新計画策定に当たっての基礎資料として利用する。
提供/建通新聞社