高知県農業振興部は、南海トラフ地震対策として、ため池の耐震化を進める。堤高15b未満の8池はL1地震に対応、同15b以上の13池はL2地震に対応するため、2020年度までに全てのため池で耐震化を完了させる方針。
堤高15b未満のため池は県内に104池あり、このうち8池が耐震化の対象となる。17年度から毎年2池ずつ工事を進め、20年度に完了させる方針。すでに新畑2号池(室戸市)については、設計と用地取得が完了、本谷池と小池(四万十市)は、9月補正予算で設計費が計上され、外注に向けた準備が進められている。
堤高15b以上のため池は県内に17池あり、このうち13池が耐震化の対象となる。すでに坂本池(四万十町)の工事は完了、溜井大池(土佐町)は工事中で、17年度に2池、18年度に5池、19〜20年度に残る4池の工事を進める計画。9月補正予算では、竜王池(安芸市)、定林寺上池(南国市)、宮ノ越池(大月町)の3池を対象とした設計費が計上されており、外注に向けた準備が進められている。
これらのため池の堤体は全て土でできており、押さえ盛土を施し堤体の幅を厚くする工事を進めていく。堤高15b未満のため池は、国が定めたため池の設計基準に基づき、L1地震に対応できるようにする。堤高15b以上のため池は、ダムの設計基準を準用してL2地震に対応できるようにする。
県ではこれらの工事を通じ、南海トラフ地震発生時でもため池下流域の住民の安全を確保し、復旧時の農業用水も確保したい考え。
提供:建通新聞社