千葉県水産公共事業評価審議会(会長=山下東子・大東文化大学経済学部現代経済学科教授、委員5人)が16日、千葉市の県教育会館で開催され、水産流通基盤整備事業銚子地区の事前評価と水産環境整備事業内房地区の再評価を実施。銚子地区は事業着手、内房地区は事業の継続をそれぞれ妥当とした。
銚子地区は、2018〜27年度の10か年で事業費約196億円を投入し、第3卸売市場の高度衛生管理施設整備、黒生地区の2港口化に向けた整備、銚子漁港の老朽化対策などを実施する。
内房地区は、17〜18年度の2か年で富山工区の魚礁を整備し、事業の完了を目指す。
銚子漁港は5年連続で水揚げ量日本一を誇り、本県の水産業を支えるとともに、地域経済に重要な位置を占めている。時代の変化に伴い漁港を取り巻く環境も変化していることから、水産流通基盤整備事業により地元のニーズに合った漁港として整備する。
2港口化に向けた整備では、黒生地区の静穏度を確保するため、黒生地区で前面断面波高が50p以下となるように施設を整備するほか、近年増加する300t級の大型巻き網船用の岸壁を整備し、大型巻き網船を誘致。川口地区及び川口外港地区では、港口の安全航行を確保するため、仮設走路を一部撤去して航路を整備する。
銚子漁港の高度衛生管理施設は、陸揚げから出荷までの一貫した衛生管理を実現するため、高度に衛生管理された荷捌き所を、新生地区の第1市場に続き川口外港地区の第3市場にも整備し、岸壁との一体整備を図る。
また老朽化対策では、航路・泊地の水深確保や導流堤・岸壁の補修・浚渫により安全性を向上。黒生地区の防波堤や道路の整備による防災拠点漁港としての機能向上を目指す。
一方、再評価の内房地区は、富津市萩生地先から館山市波佐間地先までを対象に、萩生、内房、館山、勝山、富山の5工区に分け、総事業費12億3000万円を見込み、県が事業主体となり事業を実施している。事業期間は01〜18年度。主な事業内容は、魚礁設置7万115空立方m(コンクリート魚礁3万9834立方m、鋼製魚礁3万281立方m)。
本年度末までに萩生、内房、館山、勝山工区の6万2323空立方mが完成済みで、17〜18年度に富山工区の5720空立方mを整備し、事業を完了させる。
銚子地区の地区別の事業費、事業内容等は次の通り。
【黒生地区】
▽岸壁改良マイナス7・5m岸壁=8億2000万円(18〜24年度)▽沖南防波堤改良、消波設置=64億3000万円(18〜23年度)▽泊地浚渫(仮設走路撤去含む)=14億2000万円(20〜27年度)▽道路新設(道路I、道路H)=2000万円(18〜19年度)
【川口外港地区】
▽第3市場整備=33億7000万円(18〜22年度)▽高度衛生管理岸壁=7000万円(21〜22年度)▽泊地浚渫=19億2000万円(23〜27年度)▽特定目的岸壁改良=5000万円(23〜27年度)
【川口地区】
▽導流堤改良(新生地区とも)=25億9000万円(18〜27年度)
【新生地区】
▽導流堤改良(川口地区とも)=25億9000万円(18〜27年度)▽道路A=18億円(18〜27年度)
【全体】
▽道路(補修)=7億円(24〜27年度)▽その他(補修)=4億1000万円(18〜27年度)