いなべ市は、北勢町阿下喜地区に計画している新庁舎の施工者を意向確認型指名プロポーザル方式の入札で選定し、大成建設三重営業所(津市)を評価順位1位に決めた。今後は仮契約を経て、12月の市議会特別委員会に諮る見通し。プロポーザルには同社を含めて5社が参加し、うち2社が辞退している。
また、市は今回の建築工事の中に、シビックコア棟の南側へ整備するテナント施設(7棟)と車庫を含めていない。これらの工事を別途に入札、または評価順位1位の施工者と随意契約とするかを検討し、12月議会に報告する計画だ。
庁舎は行政棟、議会棟、保健センター棟、シビックコア棟の4棟で構成。行政棟は鉄筋コンクリート造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄骨造)地下1階地上2階建て延べ8702平方b、議会棟が鉄筋コンクリート造地下1階地上2階建て延べ2303平方b、シビックコア棟が鉄筋コンクリート造2階建て延べ1134平方b、保健センター棟が鉄筋コンクリート造2階建て延べ2547平方b。この他、造成工事一式。施設内に車いす対応のエレベーターを設け、各棟に多目的トイレを設置するなど、ユニバーサルデザインを徹底。敷地内をできるだけ歩車分離にするなど安全面にも配慮し、307台収容できる駐車場を整備する。
さらに、災害時の建物運用を想定し、災害対策本部としての利用を想定した庁議室▽敷地に面する全ての道路から敷地内に出入りできる出入り口▽2階テラスを避難経路としてだけでなく、水害・土砂災害時に活用できる避難場所―などを設ける。また、自然換気や自然採光、蓄電池を備えた太陽光発電、太陽熱などをインフラ断絶時に利用でき、行政棟を免震構造、議会棟と保健センター棟、シビックコア棟を耐震構造とする。2018年度内の完成を想定している。
実施設計は日建設計名古屋オフィス(名古屋市中区)が担当。
市では9月議会で16年度分の工事費として1億8000万円を追加した他、工事監理費に200万円を計上し16〜18年度までの限度額を1億円とする補正予算を承認済み。テナント施設工事費などを除く工事費については、16〜18年度までの限度額を91億円とする債務負担行為を6月補正予算計上した際に設定している。
員弁町笠田新田地内他にある完成後30〜40年を経過して老朽化した四つの庁舎を、東海環状自動車道路と各国道が集まる高台に集約する。建設予定地の敷地面積は約3万5400平方b。
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建通新聞社