日本工業経済新聞社(山梨)
2016/11/10
【山梨】富士川上流森林計画樹立へ
県は、中北および峡東林務環境事務所管内を対象とする富士川上流地域森林計画について、2017年度から10年間の計画案を9日開催の森林審議会に諮った。案では、林道は@開設78・5q(63路線)A改良66・5q(209路線)B拡張(舗装)79・7q(119路線)―で計画。渓間工や山腹工などの治山事業は233地区で予定する。
計画案によると、森林整備を立木伐採材積167万6600立方m(主伐80万1600立方m、間伐87万5000立方m)、造林6024hで計画。
主抜は、伐期に達した人工林を中心に積極的に伐採を行う。路網整備や施業集約化を推進し、主抜や利用間伐による木材生産を促進する。造林は、人工造林は伐採後2年以内に行う。
治山については、山地災害を復旧・防止する治山施設の設置、保安林機能の維持増進へ森林整備を実施する。鳥獣害防止では、被害防止施設の設置などの防除対策を行う。
病害虫対策では、松くい虫被害木の伐倒駆除および樹幹注入などの予防措置を推進する。近県で発生しているカシノナガキクイムシによるナラ枯れ被害の未然防止へ情報収集を行う。
地域森林計画は、全国森林計画に基づき県が策定する。県の森林整備や保全の方向や計画区ごとの計画量を定める。計画期間は10年間で、5年ごとに見直す。
富士川上流森林計画区の対象は、甲府、韮崎、南アルプス市、北杜、甲斐、中央、山梨、笛吹、甲州の9市。対象森林面積は14万7109hで、所有形態の内訳は、県有林56%、私有林など37%、東京都林4%。
前計画(12年度〜16年度)の実行状況は、主抜や造林は計画を上回ったが、林道開設は、公共予算の減少などにより計画50qに対して30q。一方、治山事業施行地区は、台風災害などにより緊急的に実施する箇所が増えたため計画143地区に対して177地区と進捗した。
森林計画案は今後、縦覧や農林水産大臣の同意を得て17年1月に計画を公表する予定。
なお、地域森林計画は富士川中流地域と山梨東部地域では現計画の変更を予定し、森林審議会に諮った。