日本工業経済新聞社(群馬)
2016/11/10
【群馬】砂防災害関連緊急事業として砂防堰堤を新設
国土交通省利根川水系砂防事務所は、沼田市利根町柿平で災害対策工事を実施する。9月に起きた土石流災害によるもので、砂防堰堤などを整備する。地質調査などを災害協定締結企業に委託しており、調査結果や詳細設計をまとめ、年度内に着工する見通しだ。
同事務所は災害発生後、災害協定を締結している企業に現地調査を依頼。地質調査を国土防災技術(東京都港区)、測量業務を三陽技術コンサルタンツ(前橋市)、コンサルティング業務を砂防・地すべり技術センター(東京都千代田区)が担当している。現在、詳細設計や地質調査が行われており、その内容を年内にまとめ、本年度中に工事発注を行う予定。
対策工事は砂防堰堤の整備がメーン。H10・5m、L64mを想定しており、保全対象は人家8戸、公共施設、市道など。現場近くを流れる柿平沢の下流に整備する予定だが、詳しい場所や堰堤の構造、体積、発注方法などは検討中。県道62号に沿うように流れる根利川から堰堤までの間は、県が整備した既存の水路でつなげる。総事業費は約2・4億円を見込んでいる。
同事務所は今回の整備に先立ち、ワイヤーネット工による流木止めを行っている。このほか堰堤予定地への工事用道路として利用する市道に、車のすれ違いに使う待避所を整備し、速やかに工事ができるようにする。工事は片品川流域砂防整備の追加分として行われる予定で、工事を受注している角田建設工業(片品村)が行う。
沼田市利根町柿平では台風13号により9月7日未明に土石流が発生。1時間に73oという猛烈な雨と風に見舞われた。これは観測地である薗原ダムの観測史上最大の雨量。人家4戸と市道などが被害を受けた。現場は県により谷止め工などの対策が取られていた。