日本工業経済新聞社(埼玉)
2016/11/10
【埼玉】さいたま地域連絡会で不当要求への対応学ぶ
反社会的勢力による行政対象暴力の排除などを推進するさいたま地域連絡会(会長=伊藤雅幸さいたま県土整備事務所長)は8日、同事務所別棟大会議室で2016年度第2回連絡会を開催した。同事務所職員のほか、管内に事務所を置く県機関の職員ら約30人が参加。県警本部捜査第四課の滝澤光司係長が講話を実施したほか、不当要求に関するロールプレイング(模擬演習)で実際の緊迫感を体感した。
冒頭、伊藤会長は「公共工事の需要が増加傾向にある中、暴力団員などが資金源獲得のため、その矛先を行政に向けることも今後十分に予想される。本日の講義で学んだことを各職場に持ち帰り、組織の実情に応じた形で活用してほしい」とあいさつした。
講話では、滝澤係長が「不当要求などに応じてしまった職員は、相手との共犯的立場になる。自分自身を守るためには、きちんと拒絶してください」と警鐘を鳴らし、反社会的勢力による不当要求の現状や対応について解説。不当要求などの件数は全国的に減少傾向にあるものの「減ったからいいというわけではなく、ゼロではないという認識を持つ必要がある」と述べた。『撃退ダイジェスト版』と題したDVDで対応のポイントを確認した。
休憩を挟んで行われたロールプレイングでは、「団体から郵送された書籍の返送に絡むトラブル」「暴力団員が役員を務める建設業者の排除に伴う苦情」の2パターンで、不当要求への対応を実践。捜査四課刑事演じる訪問者が激しく詰め寄る中、対応役の県職員は圧倒されながらも冷静に対応していた。