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日刊建設工業新聞
2016/11/10

【鳥取】17年度治水事業予算確保を決議 鳥取で中国地方治水大会

 2016年度中国地方治水大会(主催・県、全国治水期成同盟会連合会)が8日、鳥取市内で開かれ、治水事業を着実に推進するため国・政府に17年度予算の総枠確保と拡大などを求めた大会決議を採択した。
 大会には国会議員の代理人、国土交通省、中国5県・各市町関係者、県内の市町長ら120人が出席。主催者を代表して平井伸治知事が「異常気象に対処できる治水能力を高めなくてはならない」とあいさつ。陣内孝雄全国治水期成同盟会連合会長は、近年の災害を踏まえ「予防的な治水事業を推進するため、十分な予算確保を国に懸命に働き掛ける」と決意した。
 来賓の国交省中国地整の丸山隆英局長は「危機感をもって水害と土砂災害対策に取り組む。洪水氾濫を未然に防ぐため、17年度予算編成に向け必要額の確保に努める」と述べ、協力を求めた。
 国交省水管理・国土保全局治水課の山下武宜堤防構造分析官は、昨年の関東・東北豪雨などを例に挙げ「水防災意識社会」の再構築ビジョンを説明。治水事業のストック効果なども訴えた。
 記念講演では、静岡大学防災総合センターの牛山素行教授が、防災を考える上で「地域を知る」重要性を強調。14年の広島豪雨で被害者が出た位置は「土砂災害危険カ所」に集中していたとし、「予測もつかないところでは、ハザードマップに示される情報が大切」と指摘した。
 主催県からは山口真司県土整備部長が「鳥取県中部地震」の概要と対応を特別講演。地震メカニズムや応急対応の取り組みを説明後、山口部長は「質的整備とともに予防保全をしっかりやっていかないといけない」と力を込めた。
 この後、国会と政府に要望する事項として▽17年度治水事業予算の総枠確保・拡大▽集中豪雨対策▽ハード・ソフト一体となった防災・減災対策の推進−などの大会決議を採択し、閉会した。