県印旛土木事務所は、主要地方道鎌ケ谷本埜線バイパスの整備を進めている。本年度は事業費3億2000万円で豊年橋の下部工や盛土工を実施。豊年橋は9月14日の一般競争でA2橋台を、竹内建設が予定価格1億3821万円(消費税抜き)に対し1億2390万円で落札した。また、旧長門川橋の予備設計が8月末に完了。設計はオリエンタルコンサルタンツ(千葉事務所・千葉市中央区新田町5―10)が担当した。
豊年橋は、長門川に架かる橋梁で、バイパスの整備にあわせて架け換える。架設場所は印旛郡栄町安食地先で、既存橋梁の隣接を予定。橋梁の規模は橋長105m、全幅員12m(道路幅員7・5m、片側1車線、歩道片側3・5m)。上部工の形式は鋼3径間連続少数I桁橋。下部工は橋台が逆T式、橋脚が壁式2基。A2橋台の概要は場所杭15本(L25・5m)で、構造形式が逆T式(場所打杭φ1200o)、工法が場所打杭(オールケーシング工法)、深層混合処理工。詳細設計は大日本コンサルタント(千葉営業所・千葉市中央区新宿2―5―3)が担当。
旧長門川橋は、旧長門川に架かる橋梁で、バイパスの整備にあわせて架け換える。2008年に日本シビックコンサルタント(千葉事務所・千葉市中央区富士見2―15―1)の担当で詳細設計を完了したが、その後、計画に変更が生じ、設計を修正するため、昨年度で予備設計を委託した。予備設計はオリエンタルコンサルタンツが担当。橋梁の規模は橋長約60m、道路幅員約14・8m(両側歩道)。このほか(仮称)物木落し橋が完成している。
鎌ケ谷本埜線は鎌ケ谷市初富地先を起点に、国道464号の一部を重複し、印西市安食卜杭を終点とする延長約31qの幹線道路。千葉ニュータウンと成田空港を結ぶ幹線道路として位置付けられている。このうち同バイパスは、国道464号の印西市萩原地先を起点に、成田安食線の栄町安食地先を終点とする延長約4・5q・幅員15・0mを整備する計画。
事業は1996年度に用地買収に着手し、98年度に工事に着工。事業期間は96〜19年度で、総事業費58億7900万円を見込む。このうち昨年度末までに約35億9600万円を投入し、事業費ベースによる昨年度末の進捗率は約61%となっている。用地はほぼ取得を完了している。
同区間の現道部は、幅員が狭く急カーブ区間も連続し、車同士のすれ違いが困難な状況にある。救急搬送時は患者への負担軽減から市道を迂回している。また、栄町の矢口工業団地から東京近郊への輸送は国道356号を利用しているが、国の主要渋滞箇所3か所を通過することから、物流の効率化の妨げとなっている。
同バイパスを整備することで、走りやすい道路となり、歩車道分離による歩行者の安全性も向上。災害時等の救援・救助活動でも円滑で迅速な移動が可能となるため、地域防災力の強化も期待される。